米国最高裁判所におけるプライバシー権の根拠とは
米国最高裁判所は、包括的で一般的な「プライバシーの権利」を憲法上明示的に認めたことはありません。しかし、同裁判所の歴史的な判決は、合衆国憲法の権利章典(Bill of Rights)に含まれる個別の保障条項の中から、暗黙のプライバシー権を読み取ることで、この権利を認めてきました。
根拠となる主な憲法修正条項
プライバシー権の法的根拠として特に引用されてきたのは、以下の修正条項です。
- 第1修正: 信教の自由や言論の自由など、政府の干渉を受けない自由
- 第3修正: 平時における兵士の住居への宿営の拒否
- 第4修正: 不当な捜索や押収からの保護
- 第5修正: 自己負罪拒否特権など、個人を守る諸原則
- 第9修正: 憲法に列挙されていない権利も国民に留保されるとする規定
プライバシー権が適用されてきた領域
これらの判例の積み重ねにより、プライバシー権は次のような領域にまで及ぶものとして認められてきました。
- 中絶に関する個人の決定
- 避妊(受胎調節)を行う自由
- 医療処置を拒否する権利
このように、米国におけるプライバシー権は、憲法本文に明文化されたものではなく、判例法を通じて形成されてきた概念です。「ペンブレーン(影の権利)」とも呼ばれるこの考え方は、結婚・家族・身体に関わる私生活上の決定に対し、政府による過度な介入を制限する重要な役割を果たしてきました。