アメリカ独立戦争前夜のイギリス領13植民地では、人々の意見が大きく二つに分かれていました。イギリスからの独立を目指す「愛国派(パトリオット)」と、イギリス帝国への残留を望む「王党派(ロイヤリスト)」です。この二つの勢力の対立こそが、アメリカ独立戦争の社会的背景となりました。
1. 愛国派(Patriots)
愛国派は、イギリスの支配から脱し、新しい独立国家を樹立することを目指したグループです。
- 主な目的: イギリスの統治からの離脱と、独立国家の建設
- 中心的な指導者: ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、ベンジャミン・フランクリンら
- 主な主張: イギリスは植民地の人々に不当な課税を行い、「代表なくして課税なし」の原則に反して、イギリス臣民としての権利を奪っている
彼らは「税金は議会で選ばれた代表者の承認を得てのみ課されるべきだ」という思想を掲げ、本国議会による一方的な課税(印紙法やタウンゼント法など)に強く反発しました。
2. 王党派(Loyalists)
王党派は、植民地が引き続きイギリス帝国の一員であることを望んだグループです。
- 主な目的: イギリス帝国への残留と、国王への忠誠の維持
- 中心的な指導者: トーマス・ハッチンソン、ウィリアム・フランクリン(ベンジャミンの息子)、ベネディクト・アーノルドら
- 主な主張: 本国との決別は経済的にも軍事的にも破滅をもたらし、イギリスの統治下にあるほうが植民地にとって利益になる
王党派には、イギリスとの貿易に依存する商人、王室の役人、保守的な地主などが多く含まれており、独立によってもたらされる混乱や報復を恐れる声も少なくありませんでした。
まとめ
愛国派と王党派の対立は、単なる政治的な意見の相違にとどまらず、家族や隣人同士を分裂させることもあった深刻な社会問題でした。最終的に愛国派が勝利してアメリカ合衆国が誕生しましたが、戦後には多くの王党派がカナダやイギリスへ移住することとなりました。