南アメリカの歴史

アメリカ兵を驚かせた南ベトナムの「フランス語」事情

多くの南ベトナム人がフランス語を話していた

ベトナム戦争期に南ベトナムへ派遣されたアメリカ兵の多くは、現地では当然ベトナム語が主流だと考えていました。しかし、実際に現地に到着してみると、予想に反して多くの人々が流暢なフランス語を話していることに直面し、強い驚きと戸惑いを覚えたといわれています。

南ベトナムとフランスの歴史的なつながり

南ベトナムは、かつてフランスの植民地(フランス領インドシナの一部)でした。1954年に独立を果たした後も、フランスの影響は文化や社会に深く根付き、容易には消え去ることはありませんでした。

南ベトナムの公用語はあくまでベトナム語でしたが、学校教育ではフランス語が引き続き広く使用され、政府機関においても重要な言語として機能していました。さらに、都市部の住民や高等教育を受けた層の間では、日常会話の中に自然とフランス語が取り入れられていたのです。

アメリカ兵が抱いた違和感とは

アメリカから派遣された兵士たちは、「ベトナムでは主にベトナム語が話されている」という前提で現地へ向かいました。ところが、街中でフランス語が飛び交う光景を目の当たりにし、まるでヨーロッパの一角に迷い込んだような錯覚さえ覚えたといいます。

このように、植民地時代の遺産であるフランス語は南ベトナム社会に深く浸透しており、異文化の中で任務に就くことになったアメリカ兵にとって、思いがけない発見となったのです。