南アメリカの歴史

ガズデン条約で米国が得たものとは?メシラ渓谷の獲得とその歴史的背景

ガズデン条約と「ガズデン購入」の概要

1853年に締結されたガズデン条約(Gadsden Treaty)は、アメリカ合衆国がメキシコから広大な領土を買い取ることとなった歴史的な協定です。この取引は一般に「ガズデン購入(Gadsden Purchase)」と呼ばれ、現在のアリゾナ州およびニューメキシコ州の南部地域にあたる土地が対象となりました。

中核となったメシラ渓谷

ガズデン購入の中核を成したのが、メシラ渓谷(Mesilla Valley)です。この渓谷はリオグランデ川沿いに広がる肥沃な土地であり、当時メキシコとアメリカの国境付近で帰属が曖昧になっていた地域でした。条約により、メシラ渓谷南部およびヒラ川(Gila River)以南の地域が正式にアメリカ領として確定しました。

米国がこの土地を求めた理由

アメリカ政府があえて追加の土地購入を行った最大の動機は、大陸横断鉄道の南部ルートの建設でした。山岳地帯を避けて平坦なルートを確保するためには、この地域の領有が不可欠だったのです。最終的に米国は約1,000万ドルをメキシコに支払い、面積にして約76,000平方キロメートル(約29,600平方マイル)の土地を獲得しました。

歴史的な意義

ガズデン条約によって、現在のアリゾナ州・ニューメキシコ州の州境がほぼ確定し、米墨間の国境問題にも一定の決着がつきました。小規模ながら戦略的に極めて重要なこの購入は、アメリカの西部開拓と国土形成において欠かせない一歩となったのです。