米国における梅毒の感染者数は、近年増加傾向にあることが懸念されています。本記事では、米国疾病予防管理センター(CDC)の推計をもとに、梅毒の感染者数の現状や、梅毒に関する基礎知識をわかりやすく解説します。
米国の梅毒感染者数はどのくらい?
CDC(米国疾病予防管理センター)の推計によると、2021年時点で米国内には約134,892件の梅毒(第1期・第2期)の症例が報告されています。第1期・第2期とは、感染初期から比較的早期の段階にあたり、この時期に発見・治療できれば完治が可能な段階です。
梅毒の感染者数が増加している背景
米国では2000年代以降、一時的に減少していた梅毒の報告数が再び増加に転じました。背景には以下のような要因が指摘されています。
- 定期的な性感染症検査の受診率の低さ
- 無症状のまま感染に気づかないケースの多さ
- 医療アクセスの格差による早期診断の遅れ
梅毒とはどんな病気?
梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌によって引き起こされる性感染症です。主に性的な接触を通じて感染し、進行すると全身にさまざまな症状が現れます。
主な症状と進行のステージ
第1期: 感染後約3週間で、感染部位に痛みのないしこり(硬性下疳)が現れます。自然に消えることもありますが、治療していなければ病気は進行します。
第2期: 手のひらや足の裏を含む全身に発疹が現れるほか、発熱やリンパ節の腫れなどの症状が見られます。
第3期・晩期: 数年〜数十年かけて進行し、心臓や脳などの重要な臓器に深刻なダメージを与えることがあります。
早期発見・早期治療が鍵
梅毒は早期に発見すれば、抗生物質(ペニシリンなど)による治療で完治できる病気です。しかし、放置すると重篤な合併症を引き起こすだけでなく、妊娠中の感染では胎児に影響する「先天梅毒」の原因にもなります。
心当たりのある性行為があった場合や、気になる症状がある場合は、早めに医療機関や保健所で検査を受けることが大切です。また、パートナーとの相談やコンドームの使用など、予防意識を持つことも感染拡大を防ぐうえで重要です。
まとめ
CDCの推計によれば、2021年の米国における第1期・第2期梅毒の症例数は約13万5千件に上ります。梅毒は早期治療で完治可能な病気である一方、放置すると深刻な健康被害につながるため、正しい知識を持ち、必要に応じて検査・治療を受けることが重要です。