南アメリカの歴史

米国造幣局はいつ銀証明書の製造をやめたのか?実は「一度も作っていない」その理由

「米国造幣局はいつ銀証明書(Silver Certificate)の作成をやめたのか」という質問に対する答えは、少し意外なものです。実は、米国造幣局(US Mint)は銀証明書を一度も製造したことがありません。つまり「やめた」のではなく、最初から担当していなかったのです。

銀証明書を製造していたのは「彫刻・印刷局」

銀証明書は、アメリカ合衆国の紙幣の一種で、額面金額に相当する銀地金または銀貨と引き換えが可能な兌換紙幣でした。この紙幣の印刷を担当していたのは造幣局ではなく、合衆国政府印刷局(現在の彫刻・印刷局:Bureau of Engraving and Printing / BEP)です。

造幣局は硬貨の鋳造を専門とする機関であり、紙幣の製造は行いません。そのため、銀証明書のような紙幣類はすべてBEPの手によって印刷されていました。

銀証明書の発行が終了したのは1963年

銀証明書の発行は1963年に終了しました。最後に発行されたのは1957年シリーズの1ドル券で、これが銀証明書として流通した最後の紙幣となっています。

発行終了の背景には、銀価格の高騰がありました。銀の市場価格が紙幣の額面を上回るようになると、銀兌換を続けることが財政的に困難になったためです。1960年代に入り、連邦準備券(Federal Reserve Note)への移行が進み、銀証明書は段階的に姿を消していきました。

銀との兌換も1968年に完全停止

発行終了後もしばらくの間、既に発行済みの銀証明書は銀と引き換えが可能でした。しかし1968年6月24日をもって、銀兌換は正式に廃止されました。以降、銀証明書は単なる法定通貨として扱われ、現在ではコレクターの間で収集対象となっています。

まとめ

銀証明書の製造を担当したのは米国造幣局ではなく彫刻・印刷局(BEP)であり、その発行は1963年まで続けられました。「造幣局がやめた」のではなく、「造幣局は関わっていなかった」というのが正確な答えです。アメリカの通貨史を理解するうえで、造幣局(硬貨)とBEP(紙幣)の役割分担を押さえておくと、こうした疑問がすっきり解消されます。