シャーマンの海への進軍(March to the Sea)とは
「海への進軍」は、アメリカ南北戦争末期の1864年後半から1865年初頭にかけて、北軍のウィリアム・T・シャーマン少将が指揮し、ジョージア州から両カロライナ州(サウスカロライナ州・ノースカロライナ州)へ展開された大規模な軍事作戦です。この作戦により南軍のテネシー軍は戦力として事実上壊滅し、バージニアやノースカロライナに残る南軍各軍への重要な補給線が断たれました。そのため、この北軍の勝利は南北戦争における大きな転換点と評価されています。
一方で、進軍は一般市民とインフラに壊滅的な打撃をも与えました。シャーマン率いる北軍は、南軍にとって価値のあるものを意図的に破壊する「焦土作戦」を徹底したのです。
進軍の開始:アトランタから出発
1864年11月15日、約6万人の兵力を擁するシャーマン軍は、同月早くに攻略していたジョージア州アトランタを出発しました。シャーマンは部隊を4つの縦隊に分け、それぞれが特定の地域の破壊を担うよう指示します。縦隊は州内を幅広く進みながら焼き払いと略奪を行い、鉄道、橋梁、その他のインフラを破壊することで、南軍による兵員と物資の移動を困難にしていきました。
サバンナ陥落と補給線の遮断
1864年12月21日、シャーマン軍は大西洋に面したジョージア州サバンナに到達しました。市は戦闘なしに陥落し、これにより南軍テネシー軍の補給路は効果的に遮断されました。その後、シャーマンは目標をカロライナ地方に向け、破壊的な進軍を継続します。
コロンビアの焼失とノースカロライナへの進撃
1865年2月17日、シャーマン軍はサウスカロライナ州コロンビアに入城しました。市は灰燼に帰し、何千人もの市民が住む場所を失いました。さらに北軍はノースカロライナへ進み、最終的にはジョージ・ストーンマン少将の指揮する北軍部隊と合流しました。
進軍の終結と戦争の終わり
シャーマンの海への進軍は、1865年4月26日にノースカロライナ州ベネット・プレイスで南軍のジョセフ・E・ジョンストン将軍がシャーマンに降伏したことにより終わりを迎えました。その数週間後、ロバート・E・リー将軍率いる南軍がバージニア州アポマトックス・コートハウスで降伏し、南北戦争は正式に終結しました。
影響を受けた2つの州はどこか
シャーマンの海への進軍によって最も深刻な被害を受けたのは、ジョージア州とサウスカロライナ州の2つの州です。都市や農村の焼き払い、鉄道網の破壊などにより、両州の経済と社会インフラは長期にわたり大きな打撃を受け、この進軍は今日までアメリカ史において「全面戦争」の先駆けとして語り継がれています。