アメリカ南北戦争以前の南部において、「最も多くの奴隷を所有していた一族」をただ一つに特定することは困難です。奴隷制は南部全域で広く普及しており、大規模な土地と多数の奴隷を保有する富裕な名門家系が数多く存在しました。ここでは、特に大規模な奴隷所有者として知られる代表的な家系を紹介します。
奴隷を大量に所有していたことで知られる南部の名家
1. バージニア州のランドルフ家(The Randolph Family)
バージニア州屈指の名門であるランドルフ家は、広大な土地の所有と奴隷保有で知られていました。当主ウィリアム・ランドルフ(William Randolph)は、17世紀から18世紀にかけて広大なプランテーションと多くの奴隷を獲得し、一族の繁栄の基盤を築き上げました。
2. バージニア州のリー家(The Lee Family)
南軍の将軍として名高いロバート・E・リー(Robert E. Lee)を輩出したリー家も、相当数の奴隷を所有していました。ストラットフォード・ホール(Stratford Hall)やアーリントン・ハウス(Arlington House)といった一族の邸宅や農園は、奴隷労働によって支えられていました。
3. ルイジアナ州のテイラー家(The Taylor Family)
テイラー家はルイジアナ州における有力な奴隷所有家系でした。当主リチャード・テイラー(Richard Taylor)は、同州内で数多くの砂糖プランテーションと奴隷を所有し、砂糖産業で大きな富を築いていました。
4. サウスカロライナ州のウェイド・ハンプトン家(The Wade Hampton Family)
ウェイド・ハンプトン家はサウスカロライナ州を代表する富裕なプランテーション経営者の家系です。南軍の将軍であり、後に同州知事を務めたウェイド・ハンプトン(Wade Hampton)は、膨大な数の奴隷を所有していたことで知られています。
5. バージニア州のプレストン家(The Preston Family)
プレストン家はバージニア州の著名な政治家一家でした。合衆国上院議員を務めたウィリアム・キャンベル・プレストン(William Campbell Preston)とその一族は、同州でも最大級の奴隷所有者として知られていました。
個人としては誰が最大の奴隷所有者だったのか
1860年の国勢調査によれば、個人としてはサウスカロライナ州のジョシュア・ジョン・ウォード(Joshua John Ward)が1,100人を超える奴隷を所有しており、史上最大の奴隷所有者とされることが多いです。この例からも、奴隷の所有規模がいかに巨大であったかがわかります。
まとめ
上記の家系以外にも、南北戦争前の南部には多数の奴隷を所有する家族や個人が数多く存在しました。奴隷制は南部の経済と社会の根幹を成す制度であり、これらの名家の富と政治的権力は、奴隷労働に深く依存していたのです。