「亜鉛(zinc)」という言葉は、特定の一つの国だけで生まれた言葉ではありません。ただし、欧米で使われる「zinc」の直接の語源は、ドイツ語の「Zink(ツィンク)」にあるとされています。
英語の「zinc」はドイツ語からの借用
16世紀頃、スイス出身の医師であり錬金術師でもあったパラケルススが金属亜鉛について言及した際、「Zink」という呼び名を用いたことが知られています。その後、このドイツ語の名称が各国へ伝わり、英語では「zinc」、ラテン語では「zincum」などの形で定着していきました。
さらに遡るとペルシャ語由来の説も
ドイツ語「Zink」自体の由来については諸説あります。一説には、ペルシャ語で石などを意味する「sing(シング)」に由来するとも言われており、また「スズに似た金属」という意味合いから名付けられたという説もあります。いずれにせよ、亜鉛は古くからインドや中国などで知られていた金属であり、その知識や名称が交易を通じてヨーロッパへ伝わったと考えられています。
日本語で「亜鉛」と呼ばれる理由
一方、日本語の「亜鉛(あえん)」という漢字表記には独自の事情があります。亜鉛は見た目や性質が鉛(なまり)によく似ていたため、「鉛に準じる金属」という意味で「亜鉛」と名付けられました。「亜」という漢字には「次ぐ」「準ずる」という意味があり、鉛に対する第二の存在として捉えられていたことを示しています。
まとめ
「亜鉛」という言葉の起源をたどると、欧米での呼び名はドイツ語「Zink」に由来し、さらに遡れば東洋の金属知識やペルシャ語との関わりもうかがえます。そして日本語の「亜鉛」は、鉛に似た性質を持つことから付けられた、日本独自の漢字表現だと言えるでしょう。