親密なパートナー(配偶者や恋人など)による暴力は、世界的な公衆衛生上の重大な問題であると同時に、深刻な人権侵害でもあります。国や文化に関わらず、あらゆる社会で発生しているこの問題は、私たち全員が向き合うべき課題となっています。
世界の女性の3人に1人が被害を経験
世界保健機関(WHO)の推計によると、世界中の女性のおよそ3人に1人にあたる約7億3600万人が、これまでの人生の中で、親密なパートナーや夫から身体的暴力または性的暴力を経験したことがあるとされています。
この数字は、特定の地域や貧しい国だけの問題ではありません。先進国を含む世界中の国々で、年齢や所得、教育レベルを問わず女性たちが被害を受けており、まさにグローバル規模の問題だと言えます。
7億3600万人という数字の重み
7億3600万人というのは、日本の総人口の約6倍に相当する途方もない数です。言い換えれば、私たちの身近にも、目に見えない形で被害を抱えて生きている女性が存在している可能性があります。
暴力がもたらす影響
パートナーからの暴力は、負傷などの身体的な被害にとどまらず、うつ病や不安障害などの精神的健康への悪影響、意図しない妊娠、性感染症のリスク増加など、女性の心と体に長期にわたる深刻な影響を及ぼします。さらに、家庭内で暴力を目撃する子どもたちの健全な発育にも支障をきたすことが知られています。
問題をなくすためにできること
こうした暴力は決して許されるものではなく、被害を受けた女性自身に責任があるわけではありません。重要なのは、次のような取り組みです。
・被害を訴えやすい社会環境と相談窓口の整備
・ジェンダー平等に関する教育の推進
・周囲の人が早期に気づき、適切に支援できる仕組みづくり
・加害者の責任を明確にする法制度の強化
まずは、この問題の大きさを正しく知ることが、解決へ向けた第一歩となります。