アメリカ独立戦争(1775〜1783年)において、フロリダの住民の多くがイギリス側についた理由について疑問を持つ人は少なくありません。しかし、実はこの問いには少し誤解が含まれています。当時のフロリダはイギリス帝国の一部であり、住民にとって「イギリスかアメリカかを選ぶ」という問題自体が存在しなかったのです。
フロリダはもともとイギリス領だった
1763年のパリ条約により、それまでスペイン領だったフロリダはイギリスに割譲されました。イギリスはこの地域を東フロリダと西フロリダの2つの植民地に分割して統治しました。つまり、独立戦争が勃発した時点で、フロリダはすでに20年近くにわたってイギリスの統治下にあったことになります。
そのため、フロリダの住民は法的にも政治的にもイギリス国王の臣民でした。13植民地のように「独立か、宗主国への忠誠か」を問われる立場になく、イギリスを支持することはごく自然な帰結だったといえます。
反乱に加わらなかったフロリダ
独立戦争中、東フロリダと西フロリダは13植民地の反乱に加わることなく、一貫してイギリス王室への忠誠を保ちました。むしろフロリダは、北部の植民地から逃れてきたロイヤリスト(王党派)たちの避難先として機能し、戦争中および戦後には多くの王党派がこの地へ移り住んでいます。
スペインの立場:貿易での支援と政治的中立
一方、当時のスペインはルイジアナなど周辺地域を支配しており、開戦当初は政治的に中立の立場を維持しながらも、貿易を通じてアメリカ側を支援していました。ただし、1779年にはフランスの同盟国としてイギリスに宣戦布告し、西フロリダのペンサコーラ攻略などを行うことで、その姿勢を明確にしていきます。
そして1783年、パリ条約によってイギリスはフロリダを再びスペインへ返還することになりました。
まとめ
「なぜフロリダ住民はイギリスを支持したのか」という問いへの答えはシンプルです。当時のフロリダはイギリス帝国の一部であり、住民はイギリス国王の臣民だったからです。彼らには「支持するかどうか」を選ぶ状況そのものがなく、フロリダは終始イギリス側として独立戦争の時代を迎えたのです。