「イギリスはなぜ南米を植民地にしたのか」という疑問を持つ人は少なくありません。しかし、歴史的事実として、イギリスは南米大陸を本格的に植民地化していません。南米を植民地としたのは、主にスペインとポルトガルです。
南米を植民地化したのはスペインとポルトガル
15世紀末のコロンブスの航海以降、スペインとポルトガルは新大陸への進出を急速に進めました。1494年のトルデシリャス条約により、両国は新大陸を東西に分割する線引きを行い、ブラジルを除く南米の大部分をスペインが、現在のブラジルにあたる地域をポルトガルが支配することになりました。
この結果、南米ではスペイン語圏とポルトガル語圏が形成され、その影響は今日まで続いています。アルゼンチン、ペルー、コロンビアなど多くの国々でスペイン語が話されるのはこのためです。
イギリスはどこへ向かったのか
一方、イギリスの植民地拡大は16世紀後半以降に本格化しました。当時のイギリスは、すでにスペインとポルトガルが確立していた南米への直接進出よりも、北アメリカ東海岸やカリブ海地域に重点を置きました。北米の13植民地(後のアメリカ合衆国)やジャマイカなどがその代表例です。
例外もあったことに注意
ただし、「イギリスは南米に一切植民地を持たなかった」というわけでもありません。英領ギアナ(現在のガイアナ)は南米大陸における数少ないイギリス植民地であり、またフォークランド諸島は現在もイギリスが統治しています。とはいえ、これらは南米全体の植民地化の中では例外的な存在でした。
まとめ
南米の植民地化を主導したのはスペインとポルトガルであり、イギリスは北米やカリブ海、アジアなどへと勢力を広げる道を選びました。この違いが、中南米と北米で異なる言語・文化・社会構造が発展する一因となったのです。