南アメリカの歴史

米墨戦争中、サンタ・アナはメキシコの領土をいくらで売ったのか?歴史的事実を解説

サンタ・アナは米墨戦争中に領土を売っていない

アントニオ・ロペス・デ・サンタ・アナは、米墨戦争(1846年~1848年)の期間中にメキシコの領土を売却していません。よくある誤解ですが、戦争の結果としてアメリカ合衆国がメキシコから広大な土地を獲得したのは事実であるものの、それはサンタ・アナが「売った」ものではないのです。

グアダルーペ・イダルゴ条約による領土割譲

米墨戦争を終結させたのは、1848年に調印されたグアダルーペ・イダルゴ条約です。この条約により、メキシコはカリフォルニア、ネバダ、ユタの全域と、アリゾナ、ニューメキシコ、コロラド、ワイオミングの一部に相当する広大な領土をアメリカ合衆国へ割譲することになりました。

その見返りとしてアメリカは1,500万ドルを支払いましたが、これは軍事的敗北の結果としての補償金であり、対等な立場での「売買」ではありませんでした。当時メキシコの指導的立場にあったサンタ・アナといえども、この時点で自ら領土を売却したわけではないのです。

後にサンタ・アナが関与した「ガズデン購入」

ただし、1853年にはサンタ・アナ政権下のメキシコが、現在のアリゾナ州南部およびニューメキシコ州南部にあたる土地を1,000万ドルでアメリカに売却する「ガズデン購入」条約に署名しています。つまり厳密には、米墨戦争中ではなく戦後数年を経てから、サンタ・アナは領土売却に関わったことになります。

まとめ

米墨戦争中にサンタ・アナがメキシコの土地を売ったという事実はありません。最大の領土喪失はグアダルーペ・イダルゴ条約によるものであり、サンタ・アナ自身の売却行為とは明確に区別されます。彼が直接関与した領土売却は、戦争終結後のガズデン購入のみです。