アメリカ合衆国の国章(グレートシール)とは
グレートシール(The Great Seal of the United States)は、アメリカ合衆国を象徴する国家的な紋章です。1782年に正式に採択され、条約・法律・大統領令といった重要な公文書の認証に用いられてきました。国章には、アメリカの歴史と価値観を表すさまざまなシンボルが巧みに織り込まれています。
国章に描かれたシンボルの意味
翼を広げたハクトウワシ
アメリカの国鳥であるハクトウワシ(白頭鷲)が、翼を大きく広げた姿で中央に描かれています。片方の爪にはオリーブの枝を、もう片方には13本の矢をつかんでおり、「平和を強く望みながらも、必要とあらば自国を守る覚悟がある」という国家の姿勢を象徴しています。
胸元の盾と13本の縞模様
ワシの胸にある盾には13本の縞が描かれ、建国当初の13植民地を表しています。赤と白の縞はアメリカ国旗の色でもあり、国旗との深い結びつきを示しています。
頭上に輝く星々
ワシの頭上には、雲を突き破って輝く星が描かれています。これらの星は州の象徴であり、円形に配置された星々は、各州が対等に団結して一つの新しい国家を形成するという理念を表現しています。
標語「E pluribus unum」
ラテン語の標語「E pluribus unum(多からずして一は成らず)」は、「多くの中から一つへ」を意味します。多様な背景や文化を持つアメリカの人々が、ひとつの国民として団結する精神を象徴する言葉です。
年号「1776」
国章の下部に記された「1776」は、アメリカ独立宣言が採択された年を記念するものです。
裏面にも隠されたメッセージ
実はグレートシールには裏面もあります。そこには未完成のピラミッドと、その頂に輝く「プロビデンスの目(神の目)」が描かれ、「Annuit Cœptis(我々の事業に神は加護を与えたもう)」「Novus Ordo Seclorum(時代の新秩序)」というラテン語の標語が添えられています。この裏面の図柄は、1ドル紙幣の裏側でもおなじみです。
まとめ
アメリカ合衆国の国章は、単なる装飾ではありません。建国の歩み、多様性の中の団結、そして民主主義と自由への揺るぎないコミットメントを今に伝える、国のアイデンティティそのものと言えるでしょう。