南アメリカの歴史

アメリカ最初の「国民」は誰なのか?建国と市民権の歴史を解説

「アメリカ最初の国民は誰か?」という問いには、実はシンプルな答えがありません。というのも、1776年にアメリカ合衆国がイギリスから独立を宣言するまで、「アメリカ国民」という概念自体が存在しなかったからです。

独立以前の住民は「臣民」だった

1776年より前、北米大陸に住んでいた人々は法的にはイギリス王室の「臣民(Subject)」として扱われていました。当時の13植民地の人々にとって、自分たちが「国家の一員」であるという意識はなく、あくまで遠く離れた宗主国・イギリス国王の統治下にある存在だったのです。

もちろん、それ以前から北米には先住民族(ネイティブ・アメリカン)が何千年も前から暮らしていましたが、彼らはヨーロッパ的な意味での「国民」や「市民権」の枠組みの外に置かれていました。

独立宣言と憲法による「国民」の誕生

1776年の独立宣言により、植民地の人々はイギリス国王の臣民ではなくなり、新しい国家の構成員へと転換していきました。しかし、市民権の制度が明確に整備されたのは、1787年の合衆国憲法制定以降のことです。

1790年には初の帰化法(Naturalization Act)が成立し、「自由な白人」に帰化による市民権が認められました。さらに1868年批准の憲法修正第14条によって、アメリカで生まれた者は原則として自動的に市民権を得る「出生地主義」が確立されました。

まとめ:最初の国民は「独立を支えた人々」

つまり、厳密な意味での「アメリカ最初の国民」とは、独立宣言や建国の過程を経て、新たな国家の一員となった当時の住民たちだと言えます。彼らは元来イギリスの臣民でしたが、革命を通じて世界初の近代的共和国の市民へと生まれ変わったのです。