アメリカはイラクから完全に軍を撤退させたわけではありません。現在も約2,500人のアメリカ兵がイラクに駐留しており、主にアドバイザー(顧問)としての役割を担っています。
イラクにおける米軍駐留の歴史
2003年のイラク侵攻以降、イラクに駐留する米軍の規模は年々大きく変動してきました。侵攻直後は数万人規模でしたが、2006年から2007年頃にかけて宗派間紛争が激化した時期には、駐留兵力が17万人を超えるピークに達しました。
2011年の全面撤退
オバマ政権下の2011年12月、アメリカはイラクから戦闘部隊を完全に撤収しました。この時点で「イラク戦争」は公式に終結したとされています。
2014年の再派遣
しかし2014年、過激派組織ISIL(イスラム国)がイラク西部・北部で急速に勢力を拡大したことを受け、アメリカは再び軍を派遣しました。以降、ISIL掃討作戦やイラク治安部隊への支援を目的として、米軍はイラクへの駐留を続けています。
現在の米軍の役割
現在イラクに駐留する約2,500人の米軍は、前線での戦闘任務ではなく、イラク治安部隊への訓練・助言・情報提供といった後方支援が中心です。ただし、駐留米軍の基地が攻撃を受ける事件も発生しており、米軍の撤退をめぐる議論は今も続いています。
つまり、「アメリカがイラクとの戦争から抜け出した」と言えるのは2011年の全面撤退の時点ですが、その後の治安情勢の変化により、現在も限定的な形で米軍はイラクに存在し続けているのです。