アメリカ合衆国が他国に対して正式に宣戦布告したのは、建国以来わずかに11回です。興味深いことに、そのすべては1812年から1942年の間に行われており、対象となったのは5つの戦争だけです。
正式な宣戦布告が行われた5つの戦争
1. 米英戦争(1812年)
イギリスに対し、1812年6月18日に宣戦布告。海上での強制徴用や通商上の摩擦などが主な原因となりました。
2. 米墨戦争(1846年)
メキシコに対し、1846年5月13日に宣戦布告。テキサス併合をめぐる国境紛争が発端となった戦争です。
3. 米西戦争(1898年)
スペインに対し、1898年4月25日に宣戦布告。キューバの独立運動への介入という形で始まりました。
4. 第一次世界大戦(1917年)
ドイツに対しては1917年4月6日、オーストリア=ハンガリー帝国に対しては同年12月7日に、それぞれ宣戦布告を行いました。
5. 第二次世界大戦(1941〜1942年)
日本に対しては1941年12月8日(真珠湾攻撃の翌日)、ドイツおよびイタリアに対しては同月11日に宣戦布告。さらに1942年6月5日には、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニアの枢軸国3か国に対しても宣戦布告しています。
なぜ近年の戦争には正式な宣戦布告がないのか?
朝鮮戦争(1950年)、ベトナム戦争(1964年)、湾岸戦争(1991年)、アフガニスタン戦争(2001年)、イラク戦争(2003年)といった戦争では、議会による正式な宣戦布告は行われませんでした。これらは「軍事力行使の承認決議」や「戦争権限法(AUMF)」といった別の法的形式によって議会の承認を得たものです。
このように、アメリカが憲法上の手続きに基づいて正式に宣戦布告したのは、第二次世界大戦までの計11回にとどまっています。