南アメリカの歴史

エイブラハム・リンカーンは何人の奴隷を救ったのか?――「救った」ではなく「解放した」という答え

リンカーンは奴隷を「救った」のではなく「解放した」

エイブラハム・リンカーンは、特定の奴隷を一人ひとり「救った」わけではありません。彼が成し遂げたのは、より壮大で歴史的な偉業――アメリカ合衆国における奴隷制度そのものの終焉への道を開いたことです。したがって、この問いへの正確な答えは「救った人数はゼロ。しかし解放したのは数百万人」ということになります。

奴隷解放宣言の発布

1863年1月1日、リンカーン大統領は「奴隷解放宣言(Emancipation Proclamation)」を発布しました。この宣言により、南北戦争で合衆国に反旗を翻していた南部連合(アメリカ連合国)諸州にいるすべての奴隷が、自由な身分を持つ者として宣言されました。

宣言がもたらした影響

奴隷解放宣言は、発布された時点で約5万人の奴隷を即座に自由へと導きました。さらに重要なのは、この宣言が単なる一時的な措置にとどまらなかった点です。やがて戦争が終結し、憲法修正第13条の批准へとつながることで、合衆国内に存在していた約400万人すべての奴隷が自由を手にすることになったのです。

まとめ

リンカーンが「救った」奴隷の数を問うなら、答えはゼロです。しかし彼が「解放した」奴隷の数を問うなら、即時の効果としては約5万人、最終的な結果としては約400万人に及びます。この違いこそが、リンカーンの歴史的意義を正しく理解する鍵といえるでしょう。