1990年8月、イラクによるクウェート侵攻をきっかけに勃発した湾岸戦争では、米国は単独で行動していたわけではありません。国連決議に基づき、世界中の多数の国家が多国籍軍として結集しました。ここでは、米国と共に戦った主要な同盟国と、それぞれの役割について詳しく解説します。
湾岸戦争の主な同盟国
1. クウェート
湾岸戦争の最大の目的は、1990年8月にイラクへ侵略・併合されたクウェートを解放することでした。亡命先から再建されたクウェート政府自身も多国籍軍に参加し、自国解放のための作戦を積極的に支援しました。
2. サウジアラビア
サウジアラビアは、米国にとって最も重要な地域パートナーの一つでした。自国領内の軍事基地の使用を許可して多国籍軍の前線拠点として機能させただけでなく、連合軍に対して多大な資金援助も実施しています。イラク軍のさらなる南下を防ぐ「砂漠の盾」作戦の中核となった国でもあります。
3. イギリス(英国)
英国は、米国に次ぐ規模の兵力を投入した主要な軍事的貢献国です。空軍機による航空作戦に加えて地上部隊も展開し、クウェート解放作戦において重要な役割を果たしました。
4. フランス
フランスは航空部隊と海軍艦艇によって連合軍を支援しました。空爆への参加や地中海での作戦行動に加え、地上作戦では西部方面からの迂回部隊を展開し、クウェート市の解放にも貢献しています。
5. エジプト
エジプトは、アラブ諸国の中で最大級の地上部隊を多国籍軍に提供しました。エジプト軍は、イラクとの国境沿いに位置するサウジアラビアの防衛において、極めて重要な役割を担いました。
6. シリア
当時、米国との関係は必ずしも良好とは言えませんでしたが、シリアはイラクによるクウェート併合に反対し、部隊を派遣して連合軍を支援しました。兵站や後方支援の面でも貢献が見られます。
7. その他のアラブ諸国
カタール、オマーン、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)をはじめとする多くのアラブ諸国も、基地の提供や部隊の派遣など、さまざまな形で連合軍を支えました。
その他の協力国
上記のほかにも、トルコは自国の領空および軍事施設の使用を認め、イラク北部への牽制に貢献しました。また、パキスタンも兵站支援や情報提供といった形で多国籍軍を後方から支えています。
このように、湾岸戦争における多国籍軍には最終的に30以上の国々が参加しました。多様な国々による幅広い国際連携こそが、クウェート解放という目的の達成を可能にしたのです。