ヨーロッパの歴史

ハンセン病とレペロの違いをご存知ですか?スペインとメキシコの「レペロ」の意味を解説

「レペロ」はハンセン病とは無関係

「レペロ(lépero)」という言葉を耳にすると、ハンセン病(lepra/leprosy)を連想する方もいるかもしれません。しかし実は、この二つはまったくの別物です。この記事では、スペインとメキシコにそれぞれ存在する「レペロ」という言葉の意味と、その背景にある興味深い歴史をご紹介します。

スペインの「レペロス(Leperos)」

まずは、大西洋の向こう側(ヨーロッパ)で知られている「レペロ」から始めましょう。レペロス(Leperos)とは、スペイン・アンダルシア州ウエルバ県にあるレペ(Lepe)自治体の住民のことです。レペは数々の逸話に彩られた土地であり、そのひとつに「イングランド王の出身地だった」という言い伝えがあります。その人物とは、フアン・デ・レペ(Juan de Lepe)のことです。

メキシコの「レペロ(Léperos)」

一方、メキシコのレペロ(léperos)は、まったく異なる意味を持つ言葉です。メキシコシティがまだテノチティトランと呼ばれていた頃からレペロは存在していたとされ、エルナン・コルテスもアステカの街にあまりに多くのレペロがいることに驚いたと伝えられています。レペロとは、生きる目的も野心も職業も持たず、自ら声を上げようともしない存在でした。多くはメスティーソか先住民(インディオ)であり、「スペイン人の最悪の部分とアステカ人の最悪の部分を受け継いだ者たち」と呼ばれていました。

ハンセン病とレペロの違いをご存知ですか?スペインとメキシコの「レペロ」の意味を解説

1848年、アメリカ人兵士が描いたレペロ像

レペロという存在を最も鮮やかに描写しているのは、1848年のメキシコ占領期に書き残したあるアメリカ人兵士の記録です。

貧しいレペロの暮らしについては、誰にも説明がつかない。彼がどうやって生きているのか、何を糧にしているのかを知っているのは神だけだ。彼は常に、アダムとイブがエデンの園にいた頃と同じように、衣服などほとんど必要としていない。その肌は毛穴のひとつひとつから太陽の光を吸い込み、もしレペロにズボンを穿くことを義務付ける法令が出されたら、この種族は絶滅してしまうだろう。ゆったりとしたズボンをきちんと穿いたレペロは、もはやレペロではない。一方が他方を排除してしまうからだ。

レペロはまさに自然の子である。輝く太陽、ざわめく風、自然の微笑みこそが、彼の特権であり財産だ。他の人々は馬や牧場や土地を持っているが、レペロが持っているのは世界そのものである。彼には主人も法律もない。空腹のときに食べ、喉が渇けば飲み、眠気が襲えばいつでもどこでも眠る。他の人々は労働のあとに休むが、レペロは休むのに飽きたときに働く。とはいえ、その仕事はどんなものであれ1時間も続かず、たいていは10分か15分ほどで、その日のささやかな必要を満たすのにちょうどよい程度だ。

彼は荷物として包みをひとつ持ち歩き、その中には手に入るものすべてを詰め込む。盗んだ財布さえも例外ではない。そして施しを求めて手を差し伸べる。レペロの主な「職業」といえば、自分自身を楽しむことである。幸い、平時のメキシコシティには安上がりの娯楽に事欠かない。軍事パレードや宗教行列、そしてレペロが聴くのが大好きな音楽がある。踊り、闘牛、競馬、そして教会。レペロは教会が大好きで頻繁に通う。良い説教を聴くのが好きなのだ。

レペロに政治的な意見はない。彼の前でなら、彼の国や法律について好きなだけ語ればよい。サンタ・アナ将軍を侮辱しようが、ブスタマンテ将軍、エレーラ、パレデスを貶そうが、彼は気にしない。ただし、グアダルーペの聖母を侮辱する言葉を口にしない限りは安全だ。しかしその話題が出た瞬間、彼はナイフを探しに走る。

日中のレペロは、神の太陽の下を歩くどんな生き物よりも無害である。昼間に人を襲うことはなく、酔っ払い、とりわけ酔った兵士を恐れることさえある。だが夜になると、レペロは誰も恐れなくなる。とりわけ酔った兵士は、真っ先に襲う格好の獲物だ。男の背中に短剣を突き立てるとポケットに飛びつき、大した金目のものがなければ、男を負傷させたまま放置する。しかし、価値のある品や大金を見つければ、男を殺して証拠を消してしまうのだ。