結論:これは史実です
第二次世界大戦中、イギリスは「CAMシップ(Catapult Aircraft Merchantman/カタパルト搭載商船)」と呼ばれる武装商船を運用していました。大西洋の輸送船団を狙うドイツ空軍の長距離爆撃機、特にフォッケウルフ Fw 200 コンドルに対抗するため、これらの商船にロケット推進式のカタパルトを設置し、ハーカー ハリケーン戦闘機を搭載していたのです。
どのように運用されたのか
敵機が接近すると、パイロットは戦闘機ごとカタパルトで射出され、襲来するドイツ機の迎撃に向かいました。しかしCAMシップには着艦設備がまったくないため、任務を終えた後に戻る場所はありません。パイロットは船団付近の海上に機体ごと不時着水するか、パラシュートで脱出し、護衛艦に救助されることを期待するしかなかったのです。海況や天候によっては救助が間に合わず、命を落とすパイロットも決して少なくありませんでした。
戦果と限界
CAMシップ発進のハリケーンによる初の撃墜は1941年8月2日に記録され、以降も終戦までに複数のドイツ機が撃墜されています。ただし、1隻につき発進できるのは原則として1回きりで、戦闘機自体も使い捨てに近い消耗品でした。そのためCAMシップは、本格的な護衛空母が実用化されるまでの暫定的な対策と位置づけられていました。それでも1943年頃に護衛空母が大量配備されるまでの間、大西洋の船団防衛において重要な役割を果たしたことは間違いありません。
なお、商船のカタパルトから航空機を発進させるという方式は、この時代の他国ではほとんど採用されておらず、戦争全体を見ても極めて特殊な運用だったといえるでしょう。