アレクサンダー・ハミルトンは、ジョージ・ワシントン政権下で初代財務長官を務め、建国間もないアメリカ合衆国の経済的基盤を築くために数々の重要な報告書を作成しました。その中でも特に重要なのが「公共信用に関する報告書」と「造幣局に関する報告書」の2つです。
計画1:公共信用に関する報告書(The Report on Public Credit)
1790年に提出されたこの報告書は、独立戦争中に各州が負った債務を連邦政府が全面的に引き受ける「州債引き受け(アッサンプション)」を提唱しました。あわせて新たな連邦債券を発行することで、国内外における合衆国の信用を回復させることが狙いでした。
この計画により政府は安定的な資金調達を可能にし、後の経済発展の基礎が築かれました。ただし、州ごとに債務残高が異なっていたため、南部諸州から強い反発を受けたことでも知られています。
計画2:造幣局に関する報告書(The Report on the Mint)
1791年に提出されたこの報告書では、国家造幣局の設立が提案されました。目的は、国内で流通する貨幣を統一し、ドルの価値を明確に定めることにありました。
この提言に基づいて1792年に造幣法が成立し、フィラデルフィアに合衆国造幣局が設立されました。これにより十進法に基づく一貫した通貨制度が確立され、商業活動の安定化に大きく貢献しました。
まとめ
ハミルトンの2つの計画は、「財政の信頼回復」と「通貨制度の統一」という、新生アメリカにとって不可欠な課題に応えるものでした。彼の構想は、今日のアメリカの経済・金融システムの礎となっています。