ナポレオンは実は名前を変えていない
「ナポレオンは名前を変えた」という話を耳にすることがありますが、これは誤解です。ナポレオン・ボナパルト(Napoléon Bonaparte)は1769年8月15日、コルシカ島のアジャクシオで生まれ、生涯を通じて本質的には同じ名前を使い続けました。
出生時の登録名はイタリア風のつづりだった
ただし、厳密に見ると興味深い背景があります。ナポレオンが生まれたコルシカ島は、彼が誕生する前年にジェノヴァからフランスへ譲渡されたばかりでした。そのため、出生証明書にはイタリア語風のつづりで「ナポレオーネ・ディ・ブオナパルテ(Napoleone di Buonaparte)」と記録されています。
その後、フランス領の住民として、彼はフランス式の表記である「ナポレオン・ボナパルト(Napoléon Bonaparte)」を名乗るようになりました。これは名前そのものを変更したわけではなく、言語環境の変化に伴う表記上の違いにとどまります。
なぜ「名前を変えた」という誤解が生まれたのか
この誤解が広まった理由としては、次のような点が考えられます。
- 出生時のイタリア風のつづりと、後年のフランス風のつづりの違い
- 「ブオナパルテ(Buonaparte)」と「ボナパルト(Bonaparte)」という姓の表記ゆれ
- 皇帝即位後の「ナポレオン1世」という称号との混同
いずれの場合も、本人が意図的に新しい名前を名乗ったわけではなく、歴史的な背景による表記の変化であることが分かります。
まとめ
ナポレオンは名前を変えたわけではありません。生まれたときから「ナポレオン・ボナパルト」という名前を持っており、つづりの変化はコルシカ島がフランス領となったことに伴う自然な流れでした。彼の人生や業績を理解するうえで、この点を押さえておくと良いでしょう。