スコットランドの首都といえばエディンバラが有名ですが、その前に王国の中心とされていた場所があります。それがスコーン(Scone)です。
スコーンとはどんな場所?
スコーンは、現在のパース(Perth)近郊に位置する歴史的な村です。中世スコットランドにおいて、この地は単なる町ではなく、王権そのものを象徴する特別な場所でした。
かつてここにはスコーン修道院が建てられ、歴代のスコットランド王たちは「運命の石(ストーン・オブ・スコーン/スコーンの石)」の上に座って戴冠式を挙行していました。マクベスやロバート・ザ・ブルースなど、有名な王たちもこの地で王位についたと伝えられています。
なぜスコーンが王国の中心だったのか
当時のスコットランドには、現代のような固定された首都という概念は薄く、王が各地を巡りながら統治するのが一般的でした。しかし、戴冠式という最も重要な儀式がスコーンで一貫して行われていたため、この地は事実上の宗教的・政治的中心地、すなわち「首都」とみなされていました。
エディンバラへと移る王権の座
12世紀以降、ダヴィッド1世が交易と防衛の面で有利なエディンバラ城周辺の発展を進めると、王国の行政機能は次第にエディンバラへと集中していきました。15世紀頃にはエディンバラがスコットランドの首都として確立され、スコーンは歴史の中へと役割を譲ることになりました。
ちなみに、あの「運命の石」は1296年にイングランド王エドワード1世によって持ち去られ、長らくウェストミンスター寺院に置かれていましたが、1996年にスコットランドへ返還されました。
まとめ
エディンバラ以前のスコットランドの中心地はスコーンです。「運命の石」をめぐる戴冠の地として栄えたスコーンの歴史を知ると、スコットランド王国の成り立ちがより深く理解できるでしょう。