ヨーロッパの歴史

スコットランドとフランスの間で戦争は起きたのか?歴史的な同盟関係を解説

結論から言うと、スコットランドとフランスが国家同士として直接衝突し、「戦争」と呼ばれる事態に至った特定の年は歴史上存在しません。むしろ両国は長きにわたり、共通の敵であるイングランドに対抗するための同盟国として歩んできました。

1295年に始まった「古い同盟(オールド・アライアンス)」

スコットランドとフランスの関係を語る上で欠かせないのが、「古い同盟(Auld Alliance)」です。1295年、スコットランド王ジョン・バリオルとフランス王フィリップ4世の間で締結されたこの同盟は、イングランドの脅威に対処するために結ばれました。

以降およそ250年以上にわたり、両国は軍事的・経済的に密接な関係を維持しました。スコットランド兵がフランス側の傭兵として戦ったほか、フランス産ワインの輸入など、文化面での交流も深まりました。

関係が緊張した例外的な時期:リース包囲戦(1560年)

ただし、両国の関係が一切揺るがなかったわけではありません。最も緊張が高まったのは16世紀半ばです。フランス出身のスコットランド摂政メアリー・オブ・ギーズのもと、フランス軍がエディンバラ近郊の港町リースに駐留しました。

これにスコットランドのプロテスタント貴族たち(宗教改革派)が反発し、1560年にはイングランド軍の支援を受けてフランス軍を包囲する「リース包囲戦」が発生しました。同年のエディンバラ条約によって両軍が撤退すると、スコットランドは事実上フランスとの同盟から離れていくことになります。

宗教改革以降の両国関係

宗教改革以降、スコットランドはイングランドとの関係を深め、1707年の合同法によりグレートブリテン王国の一部となりました。その結果、18世紀以降はイギリスの一員として、七年戦争やナポレオン戦争などでフランスと交戦することになります。

つまり「スコットランド対フランス」という構図の戦争ではなく、「イギリス対フランス」の枠組みの中にスコットランド人が参加した、というのが実際の姿です。

まとめ

スコットランドとフランスの間で直接の戦争が起こった年は存在しません。1295年の「古い同盟」以来、両国は主に同盟国として関係を築き、緊張が表面化したのは1560年頃のリース包囲戦の時期だけです。その後、スコットランドがイギリスの一部となったことで、結果的にフランスと敵対する立場へと移り変わっていきました。