結論から言うと、この記述は「嘘(誤り)」です。
全米都市連盟の本来の目的とは?
全米都市連盟(National Urban League)は、移民層の労働条件の改善を求めた組織ではありません。同団体が掲げていたのは、都市部に暮らすアフリカ系アメリカ人の生活条件および社会的機会の向上でした。
設立の背景:大移動時代のアフリカ系アメリカ人
全米都市連盟は1910年、ニューヨークで設立されました。当時のアメリカでは、南部の農村部から北部や中西部の工業都市へと大量のアフリカ系アメリカ人が移住する「大移動(Great Migration)」が本格的に始まっていました。
都市にたどり着いた彼らは、劣悪な住環境や雇用における差別など、数多くの困難に直面していました。全米都市連盟はそうした人々に対し、主に以下のような支援を行いました。
- 住宅事情の改善支援
- 職業紹介と雇用機会の確保
- 教育・職業訓練の提供
- 都市生活への適応サポート
なぜ「移民」と混同されやすいのか
同じ時代には、ヨーロッパからの移民労働者の待遇改善を目指す労働運動や社会改良運動も盛んに行われていたため、両者が混同されることがあります。しかし、全米都市連盟の活動の中心にあったのは、あくまでアフリカ系アメリカ人コミュニティの権利拡大と生活向上でした。
まとめ
「全米都市連盟が移民層の労働条件の改善を求めた」という記述は誤りです。同団体は、都市部のアフリカ系アメリカ人の生活条件と社会的機会の改善を使命として設立された、後の公民権運動につながる重要な先駆的組織の一つであり、現在も全米有数のアフリカ系アメリカ人市民権団体として活動を続けています。