ヨーロッパの歴史

アメリカ独立戦争でイギリスからの独立に反対した人々とは?「ロイヤリスト」の正体

アメリカ独立戦争(1775年〜1783年)の際、イギリスからの離脱に反対し、本国への忠忠誠を貫いた人々は「ロイヤリスト(Loyalists)」、あるいは「トーリー(Tories)」と呼ばれていました。

多様な背景を持つロイヤリストたち

ロイヤリストは決して均質な集団ではなく、社会的階級、民族、宗教的背景を問わず、さまざまな人々が含まれていました。彼らがイギリスとの繋がりを守ろうとした理由も、それぞれ異なっていました。

1. 財産を守りたかった大地主

富裕な土地所有者の多くは、独立によって社会が不安定化し、自分たちの財産や特権が脅かされることを恐れていました。既存の秩序を維持することが、自らの生活と地位を守る最善の道だと考えていたのです。

2. イギリスとの交易に依存していた商人

イギリス本土との貿易に大きく依存していた商人たちは、独立がもたらす経済的な打撃を懸念していました。植民地経済の根幹を支えていたのは本国との取引であり、その断絶は死活問題だったのです。

3. 王室に忠誠を誓う元軍人・官僚

また、元イギリス軍の兵士や官僚として王室に仕えた経験を持つ人々も多く、長年の忠誠心からイギリス国王への帰属を続けました。

少数派ながら大きな影響力を持った勢力

ロイヤリストは植民地においては少数派でしたが、組織力があり、社会に大きな影響力を持っていました。独立戦争中には実際に武器を手に取り、イギリス側について戦い、「パトリオット(愛国者)」と呼ばれる独立派の人々と対立しました。

戦後、多くのロイヤリストはカナダやイギリス、その他の英領植民地へ移住することとなりました。彼らの存在は、アメリカ独立が単なる「対イギリス戦争」ではなく、植民地内部での意見分裂や葛藤を伴う内乱的な側面も持っていたことを示しています。