中世ヨーロッパで展開された十字軍のうち、最初の3回の遠征はいずれも西ヨーロッパを起点としていました。ただし、それぞれの時代ごとに参加国や指導者の顔ぶれは変化しています。ここでは、第1回から第3回までの十字軍がどこから始まり、どの国が中心となったのかをわかりやすく解説します。
第1回十字軍(1095年〜1099年)
第1回十字軍は、西ヨーロッパ、とりわけフランス王国と神聖ローマ帝国を中心とした地域から始まりました。1095年、教皇ウルバヌス2世がクレルモン教会会議で聖地エルサレムの回復を呼びかけたことが直接のきっかけです。
この呼びかけに応えたのは、フランス出身の諸侯や騎士が中心でした。彼らはコンスタンティノープルを経由して小アジアへ進み、1099年にエルサレムを占領することに成功します。
第2回十字軍(1147年〜1149年)
第2回十字軍も同じく西ヨーロッパが発祥であり、主要な参加国はフランス王国と神聖ローマ帝国でした。1144年に十字軍国家の一つであるエデッサ伯国がムスリム勢力に陥落したことを受け、教皇エウゲニウス3世が新たな遠征を呼びかけました。
この遠征では、フランス王ルイ7世と神聖ローマ皇帝コンラート3世という両大国の君主が自ら率いて出陣した点が特徴です。しかし結果的には目標を達成できず、失敗に終わりました。
第3回十字軍(1189年〜1192年)
第3回十字軍になると、出発地はさらに広がり、フランス王国、神聖ローマ帝国に加えてイングランド王国など、ヨーロッパ各地から軍勢が出発しました。
きっかけは1187年、サラディンがエルサレムを奪還したことです。これを受けて、イングランド王リチャード1世(獅子心王)、フランス王フィリップ2世、神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世(バルバロッサ)という当時ヨーロッパ最大級の権力者たちがそろって参戦し、遠征の規模は格段に大きくなりました。
まとめ
最初の3回の十字軍は、すべて西ヨーロッパを起点としていました。第1回・第2回はフランス王国と神聖ローマ帝国が中心となり、第3回ではイングランド王国も加わって、より多国籍かつ大規模な遠征へと発展していきました。このように、十字軍は時代を経るごとに参加国を増やしながら、ヨーロッパ全体を巻き込む歴史的な運動となっていったのです。