答えは「羅針盤」――大海原への道を開いた技術
羅針盤(コンパス)は、地球の磁北極が示す方向を知ることができる航法器具です。磁石の針が常に一定の方角を指すという性質を利用しており、悪天候や視界不良の中でも正確な方位を把握できる点が大きな特徴です。
中国での発明とヨーロッパへの伝来
羅針盤は11世紀に中国で発明されました。当初は占いなどの用途で使われていた磁石の性質が、やがて航海用として実用化されるようになり、13世紀には交易路を通じてヨーロッパへ伝わったとされています。
航海術を根本から変えた羅針盤の力
羅針盤が登場する以前、船乗りたちは海岸線や陸地の目印、そして太陽や星の位置に頼って航行していました。そのため、夜間や曇天時の航行は極めて危険であり、陸地から離れた長距離の外洋航海は困難を極めていました。
羅針盤を実用化したことで、船乗りたちは陸上の目標物に依存することなく外洋を自由に航行できるようになりました。これにより長距離の移動と探検が現実的なものとなり、新大陸の発見に代表されるヨーロッパの「大航海時代」の到来を支える、決定的ともいえる重要な技術となったのです。