ドイツ潜水艦(Uボート)による魚雷攻撃
1915年5月7日、イギリスの大型遠洋客船RMSルシタニア号は、ニューヨークからリバプールへ向かう途中、アイルランド沖でドイツ海軍の潜水艦(Uボート)から発射された魚雷を受けました。被弾から完全に沈没するまでわずか18分という短時間で、乗客・乗員合わせて1,198名もの命が失われました。犠牲者の中には100人以上のアメリカ人市民が含まれており、一方で生存者の約3分の2はアメリカ人乗客だったと伝えられています。
当時、ドイツはイギリス周辺海域を戦争地域と宣言し、無制限潜水艦作戦を展開していました。民間人の乗る客船であっても攻撃対象となり得る状況だったのです。
この事件は、ドイツが中立国の一般市民の生命を軽視しているという印象を世界に強く与え、とりわけアメリカ国内の反独世論を大きく刺激しました。その結果、アメリカにおける第一次世界大戦への参戦を支持する声が急速に高まり、約2年後の1917年4月、アメリカはついにドイツに対して宣戦布告しました。ルシタニア号事件は、アメリカの参戦を決定づけた重要な転換点の一つとされています。