人類史上初めて「都市」と呼べる集落が誕生したのは、紀元前3500年頃のメソポタミアであると考えられています。チグリス・ユーフラテス川流域に栄えたこの地域では、農業の生産性向上とともに人口が集中し、世界最初の都市文明が花開きました。
メソポタミア――世界最古の都市群
- ウルク(紀元前3500年頃):世界最古の都市とされ、数万人が暮らす大都市でした。楔形文字の起源もこの地にさかのぼります。
- ウル(紀元前3200年頃):シュメールの主要都市で、巨大なジッグラト(聖塔)で知られています。
- キシュ(紀元前3000年頃):初期王朝時代の政治的中心地の一つでした。
- ラガシュ(紀元前2500年頃):豊かな農業地帯を背景に繁栄したシュメールの都市国家です。
インダス文明――計画的に造られた都市
- ハラッパー(紀元前2600年頃):整然とした街区配置と高度な下水道技術を持つ都市でした。
- モヘンジョダロ(紀元前2500年頃):「死者の丘」の名でも知られ、インダス文明最大級の都市遺跡です。
古代エジプト――ナイル河畔の王都
- メンフィス(紀元前3100年頃):エジプト統一後の最初の首都として機能しました。
- テーベ(紀元前2050年頃):中王国以降の宗教的・政治的中心地で、カルナック神殿などで有名です。
古代中国――黄河流域の都
- 商の都(紀元前1600年頃):殷(商)王朝の政治的中心地として栄えました。
- 安陽(紀元前1300年頃):殷代後期の首都であり、甲骨文字が大量に出土したことで知られます。
古代ギリシャ――ポリスの誕生
- アテネ(紀元前800年頃):民主政治の発祥地として、西洋文明に多大な影響を与えました。
- スパルタ(紀元前750年頃):強力な軍事国家としてペロポネソス半島に君臨しました。
古代ローマ――永遠の都
- ローマ(紀元前753年頃):伝説上の建国年とされ、やがて地中海世界を支配する大帝国の首都へと発展しました。
このように、世界最古の都市はメソポタミアで誕生し、その後、インダス、エジプト、中国など各地の大河文明へと広がっていきました。都市の誕生は、文字、法律、貨幣といった文明の基盤となる仕組みを生み出すきっかけとなったのです。