三国協商とは
三国協商(さんごくきょうしょう)とは、イギリス・フランス・ロシアの3か国によって形成された政治・軍事的な同盟関係を指します。正式な軍事条約というよりも、相互理解と協調に基づく「協商(entente)」として緩やかに結ばれたものであり、20世紀初頭のヨーロッパ国際政治において極めて重要な役割を果たしました。
結成の背景と目的
三国協商が形成された最大の要因は、1871年のドイツ帝国成立以降、急速に台頭したドイツの政治的・軍事的な力への警戒です。ヨーロッパにおける勢力均衡(パワー・バランス)を維持することを目的として、各国は次第に連携を深めていきました。
英仏協商(1904年)
イギリスとフランスは1904年に「英仏協商」を締結し、長年の植民地をめぐる対立(特にエジプトとモロッコ問題)を解消して友好関係を築きました。
英露協商(1907年)
続いて1907年には、中央アジアでの覇権を争っていたイギリスとロシアが「英露協商」を結び、これにより英・仏・露3か国の協調体制、すなわち三国協商が完成しました。
三国同盟との対立と第一次世界大戦
一方、ドイツ・オーストリア=ハンガリー・イタリアで構成される三国同盟が存在しており、ヨーロッパは二大陣営に分かれて対立を深めました。この対立構造は1914年に勃発した第一次世界大戦につながり、三国協商側は「連合国」として戦うことになります。