ヨーロッパの歴史

第一次世界大戦時、ドイツはイギリスより大きな軍隊を保有していたのか?

結論から言えば、はい。第一次世界大戦において、ドイツはイギリスを大きく上回る規模の陸軍を保有していました。開戦時点での即応兵力においても、終戦までの総動員数においても、ドイツ陸軍の規模はイギリス軍を凌駕していました。

開戦時(1914年)の兵力比較

1914年8月に戦争が勃発した時点で、両国の兵力には大きな差がありました。

ドイツ陸軍

ドイツ帝国の平時常備軍は約76万〜80万人規模でしたが、動員令が発令されると予備役兵や後備役兵が次々と召集され、わずか数週間で約380万人規模の大軍へと急拡張しました。この圧倒的な動員能力は、事前に綿密な参謀本部の計画に基づいて整えられていたものです。

イギリス陸軍

一方、イギリスは志願制による小規模な職業軍人の部隊を中心としており、正規軍は約25万人程度にすぎませんでした。予備役や本土防衛を担う領土軍(テリトリアル・フォース)などを含めても、総勢は70万〜90万人前後に留まりました。フランスへ派遣された最初のイギリス遠征軍(BEF)は約16万人と、比較的小さな部隊でした。

なぜイギリスの陸軍は小さかったのか

イギリスが陸軍の拡充を図らなかったのには、明確な理由があります。島国であるイギリスの国防の要は、当時世界最強を誇ったイギリス海軍だったのです。伝統的にイギリスは制海権の確保を最優先とし、大陸への大規模な陸上介入を避ける政策を採ってきました。

戦争中の兵力拡大

戦争が長期化するにつれ、両国とも兵力を大幅に拡大していきました。

  • ドイツ: 終戦までに累計約1,100万人以上を動員しました。
  • イギリス: キッチナー陸軍大臣のもとで大規模な志願兵募集が行われ、1916年には徴兵制も導入されました。最終的な動員数は、自治領や植民地の軍隊を含めて約800万人に達しました。

それでもなお、西部戦線における地上兵力ではドイツが終始優位を保ち続けました。イギリスが大陸で同盟国フランスと対等に渡り合えるようになるのは、1917年のアメリカ軍参戦を待つ必要があったほどです。

まとめ

第一次世界大戦時、ドイツは開戦時の即応兵力においても、戦争全体の総動員数においても、イギリスを大きく上回っていました。イギリスは海軍力では世界一だった一方、陸軍の規模ではドイツに及ばず、戦争を通じて急速な軍備拡大を余儀なくされたのです。