ヨーロッパの歴史

第一次世界大戦中にドイツを統一したのは誰?「鉄血宰相」ビスマルクの真実

「第一次世界大戦中にドイツを統一したのは誰か」という問いには、実は一つの重要な誤解が含まれています。ドイツの統一は第一次世界大戦中ではなく、それより約50年前の19世紀にすでに達成されていたのです。

ドイツ統一の立役者——オットー・フォン・ビスマルク

ドイツを統一した人物として広く知られているのは、オットー・フォン・ビスマルク(Otto von Bismarck)です。「鉄血宰相」の異名で呼ばれた彼は、プロイセン王国の首相として、「鉄と血」による現実政治(リアルポリティーク)を推進し、ドイツ統一の大業を成し遂げました。

ビスマルクによる統一への道のり

ビスマルクは、以下の一連の戦争を通じてドイツ統一を実現しました。

  • 1864年: デンマーク戦争——シュレースヴィヒとホルシュタインの帰属をめぐりデンマークと戦う
  • 1866年: 普墺戦争——オーストリアを破り、ドイツ連邦から排除してプロイセン主導権を確立
  • 1870〜71年: 普仏戦争——フランスに勝利し、南ドイツ諸邦を取り込む

そして1871年1月18日、ヴェルサイユ宮殿においてプロイセン国王ヴィルヘルム1世がドイツ皇帝として即位し、ドイツ帝国(第二帝国)が正式に成立しました。

なぜ「第一次世界大戦中の統一」は誤りなのか

第一次世界大戦は1914年から1918年にかけて行われました。一方、ビスマルクは1898年に死去しており、大戦の勃発を見ることなくこの世を去っています。つまり、彼は第一次世界大戦に関わっていないどころか、その開戦を知ることすらなかったのです。

また、第一次世界大戦当時のドイツは、すでに統一された国家として帝政下にあり、指導していたのは皇帝ヴィルヘルム2世でした。ビスマルクは1890年にヴィルヘルム2世によって宰相を解任されており、晩年は政界の第一線から退いていました。

まとめ

ドイツを統一したのは19世紀のオットー・フォン・ビスマルクであり、第一次世界大戦中の出来事ではありません。ビスマルクは1898年に亡くなったため、1914年に始まった第一次世界大戦を目にすることはありませんでした。この時代区分を正しく理解することが、ヨーロッパ近代史を学ぶ上で非常に重要です。