ヨーロッパの歴史

ビザンツ軍は皇帝と教皇のどちらを支持したのか?

ビザンツ軍が支持したのは皇帝

ビザンツ帝国(東ローマ帝国)の軍隊は、一貫して皇帝を支持していました。皇帝は国家元首であると同時に、全軍の最高司令官でもありました。ビザンツ軍は皇帝に忠誠を誓い、その命令に従うことが最大の義務とされていたのです。

皇帝の権威と軍への統制

ビザンツ帝国において、皇帝(バシレウス)は神によって選ばれた支配者とみなされ、政治・軍事・宗教のすべてにおいて絶対的な権威を握っていました。軍の高級将官は皇帝によって直接任命され、兵士たちは皇帝の名のもとで戦いました。この強固な忠誠体制は、帝国が約千年にわたり存続した大きな要因の一つといえます。

教皇との関係

一方、ローマ教皇はカトリック教会の長であり、宗教面での指導者ではあったものの、政治的・軍事的な実権はほとんど持ちませんでした。さらに、教皇の拠点であるローマは、西ローマ帝国滅亡後、ビザンツ帝国の安定的な支配下にはなく、次第にフランク王国など西方勢力との結びつきを強めていきました。

このため、ビザンツ軍にとって忠誠の対象はあくまで皇帝であり、遠く離れたローマの教皇ではありませんでした。むしろ8世紀以降、聖像破壊論争などをめぐって皇帝と教皇の対立が深まると、両者の関係はますます疎遠となり、最終的には1054年の東西教会分裂(大シスマ)へとつながっていくのです。