ヨーロッパの歴史

古代ローマにおける惑星の愛称とは?神話の神々に由来する名前とその意味を解説

古代ローマでは、肉眼で観測できる惑星たちに、ローマ神話の神々の名前が与えられていました。これらの名前は後世にも受け継がれ、現在の英語圏をはじめ多くの言語で使われる惑星名の由来となっています。

ここでは、各惑星のローマ時代の愛称と、それぞれの名前に込められた意味を一覧表とともにご紹介します。

惑星のローマ名と意味の一覧

惑星ローマでの愛称意味
水星(Mercury)メルクリウス(Mercurius)伝令の神
金星(Venus)ウェヌス(Venus)愛と美の女神
地球(Earth)テラ(Terra)大地
火星(Mars)マルス(Mars)戦争の神
木星(Jupiter)ユピテル(Iuppiter)神々の王
土星(Saturn)サトゥルヌス(Saturnus)時間と農耕の神
天王星(Uranus)カエルス(Caelus)天空の神
海王星(Neptune)ネプトゥヌス(Neptunus)海の神
冥王星(Pluto)プルートー(Pluto)冥界の神

各惑星の名前の由来

水星:メルクリウス(伝令の神)

翼のあるサンダルで天を駆け巡る伝令の神メルクリウス。太陽に最も近く、空の中でも素早く移動して見えることから、この名前が付けられました。

金星:ウェヌス(愛と美の女神)

夜明けや夕暮れの空に最も明るく美しく輝く金星には、愛と美の女神ウェヌスの名がふさわしいとされました。

地球:テラ(大地)

ラテン語で「大地」を意味する「テラ」。私たちが足を踏みしめる土地そのものを指す言葉です。

火星:マルス(戦争の神)

赤く燃えるような色を持つ火星は、血や戦いを連想させることから、戦争の神マルスと結び付けられました。

木星:ユピテル(神々の王)

太陽系最大の惑星である木星には、ローマ神話の最高神にして神々の王であるユピテルの名が与えられました。

土星:サトゥルヌス(時間と農耕の神)

ゆったりとした周期で動く土星は、時間と農耕を司る神サトゥルヌスにちなんで名付けられました。

望遠鏡の時代に発見された惑星たち

天王星・海王星・冥王星は、古代ローマの時代には知られておらず、望遠鏡による天文学の発展とともに発見された惑星です。しかし、命名の際には伝統を尊重し、ローマ神話の神々の名が採用されました。

  • 天王星(カエルス):1781年に発見。ローマ神話の天空神カエルスにちなんで命名されました。
  • 海王星(ネプトゥヌス):1846年に発見。青みがかった姿から、海の神ネプトゥヌスの名が付けられました。
  • 冥王星(プルートー):1930年に発見。暗く遠い存在であることから、冥界の神プルートーの名が選ばれました。2006年には国際天文学連合(IAU)の定義変更により、惑星から準惑星へと分類されています。

このように、惑星の名前には古代の人々の宇宙観と神話への思いが込められています。夜空を見上げるとき、こうした由来を知っていると、より深く楽しむことができるでしょう。