いいえ、違います。1990年10月3日のドイツ再統一以降、ドイツの首都はベルリンただ一つです。東西分裂時代に西ドイツ(ドイツ連邦共和国)の首都を務めたボンは、首都としての地位を失いました。
分断時代、首都機能を担ったボン
第二次世界大戦後、ドイツは1949年に東西に分裂しました。西側のドイツ連邦共和国は、当時ライン川沿いの穏やかな町だったボンを暫定的な首都と定め、約40年間にわたり連邦議会や政府機関を置きました。一方、東側のドイツ民主共和国(東ドイツ)は東ベルリンを首都としていました。
再統一と「ベルリン決議」
1990年の再統一条約では、統一ドイツの首都がベルリンであることが正式に定められました。さらに翌1991年6月、連邦議会は僅差の採決で政府所在地をベルリンへ移すことを決定しました(いわゆる「ベルリン決議」)。移転作業は1999年に完了し、連邦首相府や連邦議会(帝国議会議事堂)といった主要機関がベルリンに集約されました。
今も残るボンの役割
ただし、ボンが完全にその役割を失ったわけではありません。同市は現在「連邦都市(ブンデスシュタット)」という特別な称号を持ち、国防省や教育研究省など一部の連邦省庁は今も本庁をボンに置いています。また、ドイツテレコムや国際放送局ドイチェ・ヴェレなど、重要な公共機関の拠点もボンにあります。
まとめると、ドイツの首都はベルリン一つですが、かつての首都ボンには今なお一定の政治的・行政的な機能が残されているのです。