ヨーロッパの歴史

第二次世界大戦初期、ヨーロッパ列強の戦争目標は何だったのか?

第二次世界大戦初期におけるヨーロッパ主要国の目標

1939年に勃発した第二次世界大戦。開戦当初、ヨーロッパの主要国はそれぞれ異なる思惑と目的を抱いて戦争に臨みました。ここでは、各国が戦争初期に掲げていた主な目標を詳しく解説します。

ドイツ:ヴェルサイユ体制の打破と「大ドイツ」の建設

ヒトラー率いるナチス・ドイツの最大の目標は、第一次世界大戦後にドイツへ一方的に課されたヴェルサイユ条約を覆すことでした。同条約による領土縮小や軍備制限を撤廃し、ドイツ系住民の居住地域を併合しながら領土を拡大し、いわゆる「大ドイツ(Großdeutschland)」と呼ばれる拡張されたドイツ帝国を築こうとしていました。

イタリア:「新ローマ帝国」の復興と地中海の覇権

ムッソリーニ率いるイタリアは、領土拡大を通じて古代ローマ帝国の再来とも言うべき「新ローマ帝国」の建設を目指していました。さらに、地中海を自国の勢力圏として完全に掌握し、ヨーロッパにおける一大国の地位を確立することも重要な目標でした。

フランス:欧州のパワーバランスの維持

フランスの関心は、ヨーロッパにおける勢力均衡(バランス・オブ・パワー)の維持にありました。第一次世界大戦で国土が甚大な被害を受けた経験から、ドイツが再び軍事的に台頭しすぎることを強く警戒し、その抑止を最優先の課題としていました。

イギリス:現状維持と大陸覇権の阻止

イギリスは、ヨーロッパ大陸における現状維持を図り、ドイツが大陸を支配下に置くことを防ごうとしていました。伝統的な「大陸の均衡」政策に基づき、特定の一国が欧州全体を覇権する事態の回避を何よりも重視していたのです。

ソ連:独ソ不可侵条約による安全保障

スターリン率いるソ連は、開戦当初は直接戦争に参加していませんでした。しかし、ナチス・ドイツの急速な勢力拡大を強く懸念しており、1939年8月に独ソ不可侵条約(モロトフ=リッベントロップ協定)を締結しました。これはドイツとの平和的な関係を保ちつつ、自国の安全保障を確保し、戦争に備えるための時間を稼ごうとする戦略的な動きでした。

まとめ

第二次世界大戦初期のヨーロッパでは、ドイツとイタリアといった枢軸国側が領土拡張と覇権の確立を目指した一方、フランスとイギリスの連合国側は現状維持とドイツの台頭阻止を目的としていました。そしてソ連は不可侵条約によって中立を保ちながら、国際情勢を静観する立場を取っていたのです。