ヨーロッパの歴史

イングランドを侵略した国はいくつある?歴史上の6つの大規模な侵略を徹底解説

イングランドへの侵略は何回あったのか

島国であるイングランドは、その長い歴史の中で幾度も外国勢力による侵略(または侵略の試み)を受けてきました。記録に残るだけでも少なくとも6つの大規模なケースがあり、それぞれがイギリスの歴史に深い足跡を残しています。ここでは、年代順にその概要をご紹介します。

1. ローマ人(西暦43年〜409年)

最初の大規模な侵略はローマ帝国によるものです。皇帝クラウディウスの遠征軍が西暦43年にブリテン島へ上陸し、以後約350年以上にわたってイングランドを統治しました。ローマ人は街道や浴場、都市基盤を整備し、その遺構は現代のイギリスにも数多く残されています。しかし帝国の衰退とともに、5世紀初頭の409年頃には軍団を撤退させることとなりました。

2. デーン人=北欧のバイキング(西暦789年〜1016年)

8世紀末に始まったデーン人の襲来は、当初の略奪から次第に本格的な征服へと発展していきました。9世紀にはイングランド東部の広範囲を支配下に置き、「デーンロー」と呼ばれる地域を形成します。そして1016年、クヌート大王がイングランド王に即位し、北海を挟んだ広大な「北海帝国」を築き上げました。

3. ノーマン人(西暦1066年〜1154年)

1066年のヘイスティングスの戦いに勝利したノルマンディー公ウィリアム(征服王ウィリアム)は、イングランドを征服した最後の人物として知られています。アングロ・サクソン王朝を倒した彼は、封建制度や城塞建築など大陸色の強い文化をもたらし、イングランド社会を根本から変革しました。ノルマン王朝は1154年まで続いています。

4. オランダ人(1688年)

1688年、オランダ総督オラニエ公ウィレム(後のイングランド王ウィリアム3世)は大艦隊を率いてイングランドに上陸しました。これが「名誉革命」と呼ばれる出来事です。ほぼ無血のうちにジェームズ2世は追放され、ウィリアム3世とメアリー2世が共同統治者として即位しました。この侵攻は「イングランドに対する最後の成功した侵略」とされることが多く、立憲君主制への転換点ともなりました。

5. スペイン(1588年)

1588年、フェリペ2世率いるスペインの「無敵艦隊(アルマダ)」がイングランド侵攻を試みました。しかし、エリザベス1世時代のイングランド海軍の抵抗と暴風雨により艦艦隊は壊滅的打撃を受け、侵攻は失敗に終わりました。これは「成功しなかった侵略」の代表例として有名です。

6. ナポレオン率いるフランス(1803年〜1815年)

ナポレオン・ボナパルトはフランス北部のブーローニュに大軍を集結させ、イギリス本土への上陸作戦を本格的に計画していました。ところが1805年のトラファルガーの海戦でネルソン提督率いるイギリス海軍が圧勝し、制海権を失ったナポレオンは侵攻を断念します。英仏間の戦争自体はその後も続き、1815年のワーテルローの戦いでようやく決着がつきました。

まとめ

イングランドの歴史における「6つの大規模な侵略」には、ローマ・デーン人・ノーマンによる成功した征服、オランダによる政変的な上陸、そしてスペインとナポレオン・フランスによる失敗に終わった侵攻の試みが含まれています。成功か失敗かは別として、これらの出来事はすべて、イングランドという国の形と言語、文化を形づくるうえで重要な役割を果たしてきたのです。