古代の歴史

アッシリア人の起源|セム系民族から「戦争マシン」帝国への歩み

アッシリア人の起源

アッシリア人の起源は、コーカサス地方に暮らしていたセム系民族にまで遡ることができます。彼らは上部メソポタミアにおいて独自の文明を発展させていきました。

アッシリア人の起源|セム系民族から「戦争マシン」帝国への歩み

著:クラウジオ・フェルナンデス

アッシリア人のルーツは、コーカサス地方に住んでいたセム系民族と深く結びついています。彼らは上部メソポタミアにあるアッシュール高原へと移住し、紀元前2400年頃、現在のイラク北部にあたるこの地域に定着しました。そして、同名の神にちなんで名付けられた都市アッシュールを建設し、メソポタミアにおける最重要帝国の一つを形成することになったのです。

ただし、アッシリア帝国が本格的に台頭したのは紀元前1300年頃のことであり、その勢力は紀元前612年まで続きました。中東で花開いた諸文明の歴史に、アッシリア人が残した最大の特徴こそ、いわゆる「戦争マシン」でした。

史上初の組織的軍隊「戦争マシン」

アッシリア人の「戦争マシン」とは、おそらく人類史上初となる組織的な軍隊を指します。弓兵・槍兵・戦車(チャリオット)・騎兵が機能ごとに厳密に編成され、その高い効率性を発揮しました。アッシリア人はこの強大な軍事力を背景に、メソポタミアの多くの文明を配下に収めることに成功したのです。

恐怖で支えられた支配

その効率性に加えて、アッシリア軍は極めて残忍なことで後世に記憶されています。拷問、串刺し、斬首、四肢の切断、剥皮といった行為は、敵対者に対して日常的に行われる処置でした。このような残酷な手法がもたらす恐怖こそが、アッシリア人が他のメソポタミア諸民族を服従させ、支配を確立する手段となっていたのです。

アッシュールバニパル王とニネヴェの図書館

アッシリア史上最も重要な王とされるのが、紀元前668年から紀元前626年まで統治したアッシュールバニパルです。彼はメソポタミア有数の都市であったニネヴェに、約2万2000枚もの粘土板を収蔵する有名な図書館を整備しました。

この偉業に加え、アッシュールバニパルの統治は、広大な帝国領土における行政組織の整備によっても特徴づけられます。当時のアッシリア社会は本質的に軍事化されており、軍の指揮官たちは最も権力を持つ階層を占めていました。こうした社会構造こそが、アッシリアの拡張主義的傾向を一段と強める要因となったのです。