古代の歴史

ベトナム戦争の空戦:FAC(前線航空管制官)が支えた精密攻撃

ベトナム戦争の空戦:FAC(前線航空管制官)が支えた精密攻撃

旧式化する通常爆弾と新たな脅威

ベトナム戦争で活動した攻撃機は、当初、機載兵器と、無誘導で自由落下する「アイアンボム」と呼ばれる通常爆弾に頼っていました。しかしこれらの装備の多くはすでに旧式化しており、高速飛行中の爆弾投下には深刻な危険が伴いました。短い間隔で連続投下された爆弾は、互いに衝突したり、空中で爆発したり、最悪の場合は投下した機体自身に命中したりする恐れがあったのです。こうした状況を受け、新型装備の導入は急務となり、誘導ミサイルが実戦投入されることになりました。

誘導ミサイル「ブルパップ」と高まる対空砲火

こうした誘導兵器の先駆けとなったのが、当時すでに10年の歴史を持っていた「ブルパップ」ミサイルです。ヘリコプターからでも航空機からでも発射可能でしたが、命中させるためには目標への継続的な誘導が欠かせませんでした。

開戦当初、北ベトナム側の対空火力はごくわずかなものでした。ところが1966年までに、ソ連の支援により数千門規模の自動対空砲や地対空ミサイル陣地からなる広大な防空網が構築され、その威力と脅威は年々増大していきました。加えて、低空を飛行する航空機に対しては、わずか2,000名の兵士が小銃だけで一斉射撃するだけでも重大な損害を与え得ました。

問題は、ブルパップをはじめとする同種の兵器が、その誘導方式の特性上、パイロットと機体が長時間にわたり敵の砲火にさらされる点でした。公式にも「特定のミサイル運用による損害は、急降下攻撃や低空進入時に受ける損害の2倍に達しうる」と認められるほどでした。

爆撃方法とFACの登場

通常爆弾の投下において、ジェット機は時速720〜780kmで飛行しながら、25度から60度の角度で急降下しました。一方、ナパーム弾は単純に投下されるものでしたが、その際の高度は60〜80mという極めて低いものでした。

地上支援任務の多く、とりわけ敵味方が至近距離で交戦している状況では、正確な敵位置を特定し攻撃を導く存在が不可欠でした。それがFAC(Forward Air Controller=前線航空管制官)偵察機です。

セスナO-2が担った危険な任務

FACが地上から管制を行う場合もありましたが、多くはセスナO-2などの軽量航空機に搭乗していました。FACは敵の防御射撃を自分に引きつけることもありましたが、本来の役割は、目標を探し出し、煙やロケット弾でマーキングし、攻撃機が爆弾やロケット弾を投下・発射すべき位置とタイミングを指示することにあります。この任務は極めて危険でした。

その後、双発プロペラ機のセスナO-2がこれらの任務における標準機となりました。セスナの任務は軍事支援にとどまらず、「心理戦」も担いました。ビラの散布、拡声器による放送、照明装置の運用など、その活動は多岐にわたりました。

1968年以降:戦闘爆撃機パイロットによるFAC任務

1968年以降、FACの任務は次第に戦闘爆撃機のパイロットたちが引き受けるようになりました。彼らは戦域の地形を隅々まで把握しており、地形や植生の不自然な変化といった異常を瞬時に見抜くことができました。こうした異常は、大抵の場合、カモフラージュされた敵の存在を示唆していたのです。

FAC用の機体としては、F-4よりもF-100が好んで用いられ、またスカイホークの複座型であるTA-4Jもこの任務に高い適性を示しました。経験豊富な彼らは、地上からの要請に即座に応答し、目標に対して壊滅的な打撃を与える攻撃を直接誘導することができたのです。