先史時代の人類の暮らし
先史時代、人類は植物の採集、漁労、そして狩猟の成果によって生計を立てていました。住まいは動物の皮で作られたテントや、枝を組み上げた小屋がほとんどです。人類は獲物を追って移動し、動物たちの移動経路に合わせて住処を変えていました。つまり、先史時代の人類は定住地を持たない移動生活者だったのです。
この時代の遺跡からは打製石器が数多く出土しており、考古学者たちはこの時期を「旧石器時代」と呼んでいます。これはギリシャ語で「古い石」を意味する言葉に由来します。
さらに約45万年前には、ホモ・エレクトス(原人)が偶然(おそらく落雷がきっかけと考えられています)火を発見し、次第にその扱い方を習得していきました。
紀元前1万年頃:新石器時代の幕開け
紀元前1万年頃になると、磨き上げられた磨製石器と呼ばれる新しい道具が登場します。考古学者たちはこの時期を「新石器時代」と名付けました。これもギリシャ語で「新しい石」を意味する言葉に由来します。
これらの道具は農耕に使われました。ここにおいて人類は、最初の大革命を経験することになります。より温暖になった気候と、土地を管理する力の向上により、人類はついに作物の栽培に成功したのです。さらに動物を飼い慣らして家畜化し、畜産という新たな営みへと歩み出しました。
定住と技術革新
農耕と畜産の発展は、人類を定住へと向かわせ、それまで例のない人口の急増をもたらしました。増加する人口を支えるため、人類は耕作技術を高めて生産量を増やす必要がありました。こうして車輪と犂(すき)――土を耕すための道具――が発明され、家畜を使った耕作が始まります。また、道具の材料となる金属も改良が進みました。柔らかすぎるとされた銅に錫を加えて青銅が生まれ、やがて鉄が最も好まれるようになっていきます。
本格的な社会の誕生
生活様式の変化はまさに劇的でした。それまで移動を繰り返していた人類は、定住民へと姿を変えます。部族の人々は同じ炉を囲んで集まるようになり、組織、信仰、身分の階層、価値観を備えた、真の意味での社会が誕生しました。住居は木材や日干しレンガといった堅牢な素材で建てられるようになり、工芸技術も大きく発展しました。そして、食料やさまざまな富を外敵から守る必要から、集落の周囲には壁が築かれるようになったのです。
新石器革命がもたらしたもの
新石器時代は、それまでに類を見ない大変革をもたらしました。移動しながら狩猟採集で生きていた人類は定住民となり、自然に完全に依存していた存在から、自然の上に立ち、少しずつそれを支配していく存在へと変わっていったのです。生活様式は前の時代とは根本的に異なるものであり、だからこそ新石器革命は、人類史上最大級の革命の一つと評されるのです。
なお、新石器時代は、メソポタミアで文字が登場した紀元前3300年頃に終わりを迎え、人類の歴史は新たな段階へと進んでいきます。