古代の歴史

フランソワ1世の「テニスコート」発見――ヴィレル・コトレ城で国内最古級の球戯場遺構が出土

フランソワ1世の「テニスコート」発見――ヴィレル・コトレ城で国内最古級の球戯場遺構が出土

発掘調査が行われている球戯場(ジュ・ド・ポーム)の跡。© DENIS GLIKSMAN, INRAP / PRESS SERVICE

王家の居城に眠っていた球戯場

フランス・エーヌ県のヴィレル・コトレ城。かつてフランソワ1世が愛したこの王居で、16世紀当時の球戯場(ジュ・ド・ポーム)——近代テニスの原型とされる貴族の遊戯——の遺構が再び姿を現しました。

「フランス語国際都市」として生まれ変わる予定の同城では現在、大規模な改修工事が進められており、着工に先立って考古学者たちによる発掘調査が行われています。この館は、周辺での狩猟をこよなく愛したフランソワ1世の命により、1528年に建てられたものです。

「ヴィレル・コトレの勅令」ゆかりの地

1539年には、すべての行政文書を「ラテン語ではなく、フランスの母語で発音し、公布し、当事者に通知すること」を定めた有名な「ヴィレル・コトレの勅令」が、この館の礼拝堂で署名されました。行政言語としてのフランス語の地位を確立した歴史的な勅令です。

フランス革命以降、城は国有財産となり、19世紀には物乞い収容施設へ、その後救護院、老人ホームと用途を変え、最後は高齢者介護施設(EHPAD)として利用されてきました。しかし6年前に閉鎖され、以降は放置状態が続いていました。扉や窓はレンガで塞がれ、雨水の浸入を防ぐため屋根は金属板で覆われたままだったといいます。

中世の要塞跡に築かれた王宮

実はこの王宮は、フランソワ1世の命で取り壊された12世紀の城館の跡地に建てられています。国立予防考古学研究所(Inrap)の考古学者たちは、この中世要塞の一部である四角形の塔などを発掘したほか、ウフィツィ中庭からは城館の付属建造物の遺構も出土させました。

フランス最古級の球戯場

そして城の中庭からは、現代のテニスコート約2面分もの広さを誇る、フランソワ1世時代の球戯場が見つかりました。テラコッタ製の床面が残るほか、観客を収容していた回廊の痕跡も確認されています。

この球戯の存在は、建築家ジャック・アンドルーエ・デュ・セルソーの残した図面によって知られており、15世紀末から17世紀初頭にかけて実際に使われていたとみられます。フランス国内で発掘された球戯場はこれで5例目となりますが、その中で最も古い遺構です。

マクロン政権の看板事業へ

なお、エマニュエル・マクロン大統領は、ヴィレル・コトレ城を自らの任期における主要プロジェクトに位置づけています。「フランス語国際都市」の開館は2022年が予定されています。