古代の歴史

スペインの征服者がアステカ帝国とインカ帝国を急速に征服できた理由とは?天然痘などの疫病がもたらした決定的な影響

疫病の蔓延――スペインによる新大陸征服を左右した要因

16世紀、わずかな数のスペイン人征服者(コンキスタドール)が、数百万人規模のアステカ帝国やインカ帝国を短期間で打ち破ることができた理由の一つとして、天然痘や麻疹といった感染症の蔓延が挙げられます。

先住民に免疫がなかった理由

アメリカ大陸の先住民は、ヨーロッパ人がもたらすまで天然痘や麻疹、インフルエンザなどの病気に接触した経験がありませんでした。そのため、これらの病気に対する自然免疫を持っておらず、感染は瞬く間に広がり、集落全体が壊滅的な被害を受けることも珍しくありませんでした。

帝国の崩壊を加速させた疫病

歴史的にもその影響は顕著です。1520年には天然痘がテノチティトラン(現在のメキシコシティ)に侵入し、皇帝クイトラワクを含む多くの人々が命を落としました。また、ピサロがペルーに到着する前の時点で、インカ帝国はすでに天然痘の流行によって皇帝ワイナ・カパックを失い、後継者争いによる内乱で大きく弱体化していました。

このように、疫病は戦闘以前の段階で強力な軍隊や指導者導者層を奪い、社会全体を混乱に陥れました。結果として、かつて強大だったこれらの帝国の軍勢は抵抗する力を大きく損ない、スペイン人の征服を容易にすることとなったのです。