「初期の入植者は鉄の鋤(すき)だけを使っていた」という前提は誤りです。実際には、開拓期の入植者たちが鉄製の鋤のみに頼っていたわけではありません。
アメリカ初期の鋤は木製が主流
アメリカにおける初期の鋤は、多くの場合、木で作られていました。当時の開拓農家にとって、木材は入手しやすく修理もしやすい身近な素材だったため、鋤の主要部分が木製であるのがごく普通のことでした。
鉄への置き換えは徐々に進んだ
その後、鉄が少しずつ木材に取って代わっていきましたが、およそ1840年頃までの鋤は、棟(ビーム)や土押し板(モールドボード)は木製で、刃先(シェアポイント)のみ鉄・鋼、あるいは鋳鉄製という構成が主流でした。
つまり、木と鉄は長い間共存しており、鉄が完全に主役となったのはそれほど古い話ではありません。参考までに、1837年にジョン・ディア(John Deere)が磨いた鋼の土押し板を持つ鋤を開発したことは、粘土質の重い土壌でも土が付きにくい画期的な製品として評判を呼び、鉄・鋼製鋤への移行を加速させる大きなきっかけとなりました。