古代の歴史

1898年のリバティダイムの裏面、花輪に囲まれた「V」の意味とは?正しい答えを解説

1898年頃のアメリカの古銭を調べていると、「裏面の花輪の中に大きな『V』が刻まれているのは何を意味するのか?」という疑問によく出会います。結論から言うと、この「V」はデザイナーのイニシャルではなく、ローマ数字の「5」を表しています。

「V」はローマ数字の「5」=額面の表示

花輪に囲まれた大きな「V」が刻まれている硬貨は、実は10セント硬貨のダイムではなく、5セント硬貨のリバティヘッド・ニッケル(Vニッケル)です。この硬貨は1883年から1912年にかけて鋳造され、裏面の中央にローマ数字の「V」があしらわれ、綿とトウモロコシの穂で編まれた花輪がそれを取り囲んでいます。「V」はローマ数字の5、すなわちこの硬貨の額面が5セントであることを示す記号なのです。

デザインを手がけたのはチャールズ・E・バーバー

この「V」ニッケルをデザインしたのは、当時のフィラデルフィア造幣局主任彫刻官だったチャールズ・E・バーバー(Charles E. Barber)です。彼は同時期のダイム、クォーター、ハーフダラー(総称して「バーバー硬貨」)も手がけていますが、硬貨の表面に彼のイニシャルが刻まれることはありませんでした。

彫刻家ブレナーとの混同に注意

「Vは彫刻家のイニシャルでは?」という説が広まっている背景には、1909年のリンカーン1セント銅貨に、デザイナーであるビクター・デヴィッド・ブレナー(Victor David Brenner)のイニシャル「V.D.B.」が刻まれていたことがあります。特にサンフランシスコ造幣局鋳造の「1909-S VDB」は希少性が高く、コレクターの間で非常に有名です。しかし、これは1898年の硬貨とは無関係であり、花輪の中の「V」とはまったく別のものです。

まとめ

1898年前後のコインの裏面に、花輪とともに大きく刻まれた「V」は、作者の署名ではなくローマ数字の「5」。つまり、その硬貨が5セント硬貨(リバティヘッド・ニッケル)であることを示す額面表示です。手元のコインがダイムなのかニッケルなのか迷ったときは、裏面の表示や直径の違いを確認してみてください。