アメリカ植民地時代、宿屋の主人(インキーパー)たちはさまざまな形で報酬を受け取っていました。当時は通貨制度がまだ発達していなかったため、現金だけに頼らない柔軟な支払い方法が広く行われていたのです。ここでは、最も一般的だった5つの支払い方法をご紹介します。
宿屋の主人が受け取った5つの支払い方法
1. 現金
最も一般的な支払い方法は現金でした。特に、その土地を通り過ぎる旅人たちから現金で支払われることが多かったようです。
2. 掛け売り(信用)
常連客に対しては、宿屋の主人が信用を与え、代金を後日支払ってもらう「掛け売り」も広く行われていました。地域社会との信頼関係が営業の基盤となっていたことがうかがえます。
3. 物々交換
宿屋の主人は、部屋や食事の提供と引き換えに、品物やサービスを受け取ることもありました。その内容は食料や飲み物から、薪、農作業の手伝いまで実に多岐にわたりました。
4. 日割り料金(パーディエム)
宿屋によっては、宿泊客が1日滞在するごとに定額を支払う「日割り料金」システムを採用しているところもありました。
5. 心付け(チップ)
宿泊客から心付け(チップ)をもらうこともありました。心付けは通常、現金やささやかな贈り物の形で渡されていました。
収入を左右する要因
宿屋の主人が稼げる金額は、宿屋の場所、規模、そして集客できる宿泊客の数など、さまざまな要因によって左右されました。街道沿いや港町など、交通の便が良い場所にある宿屋ほど多くの客を呼び込めたと考えられます。
とはいえ、全体的に見れば、宿屋の主人は自分の仕事から安定した生活を送れる程度の収入を得ることができていました。旅人にとっての休息の場であると同時に、地域社会の情報交換の拠点としての役割も果たしていた宿屋は、植民地時代の経済において欠かせない存在だったのです。