金ぴかの時代の女性ファッション
19世紀後半のアメリカ、通称「金ぴかの時代(ギルデッド・エイジ)」。経済的な繁栄と格差が同居したこの時代、女性の服装は社会的階級によって大きく異なり、身につけるものの一つひとつがその人の社会的地位を雄弁に物語っていました。ここでは、上流階級・中流階級・労働者階級の女性たちの装いを、昼と夜の場面に分けてご紹介します。
上流階級の女性
昼間:ハイネックで長袖のボディス(胴衣)に、ふんわりと膨らんだスカートを合わせるのが基本スタイルでした。腰のふくらみを作り出す「バッスル」を装着し、帽子、手袋、そして日差しから肌を守るパラソル(日傘)を欠かさなかったといいます。
夜:社交界での夜会では、胸元を大きくあけたデコルテラインのドレスが主流。体の線を美しく見せるタイトなボディスに、床を引きずるほど長く流れるようなスカートとトレーンをまといました。髪には宝石をあしらった凝ったアップスタイルを施し、肘まで届く白いロンググローブと扇子を持つのが、洗練された貴婦人の証でした。
中流階級の女性
昼間:基本的には上流階級の女性と似た服装ですが、より控えめなデザインが特徴です。フリルや装飾は抑えめで、生地にも比較的安価な素材が使われました。
夜:上流階級ほど豪華ではないものの、白ではなく色付きのドレスを選ぶこともありました。宝石の数は少なく、髪型もよりシンプルな仕上げが中心でした。
労働者階級の女性
昼間:動きやすさが最優先。シンプルなワンピースか、スカートとブラウスの組み合わせで過ごしました。作業中はエプロンを着け、屋外では日焼け防止のサンボンネットや麦わら帽子をかぶりました。
夜:特別な「おしゃれ着」を持っている家庭は少なく、昼間と同じ服のままであることがほとんどでした。それでも、きれいなエプロンに着替えたり、ショールを羽織ったりして、少しでも華やかさを添える工夫をしていました。
下着――すべての階級に共通するアイテム
興味深いことに、外見の豪華さこそ階級で差があったものの、下着に関しては階級を問わず共通していました。コルセット、シュミーズ(肌着)、パンタレッテ(裾割れズボン型の下着)、ストッキング、ガーター、バッスル、そしてペチコート。これらの下着は、当時の女性が理想とされるシルエットを作り出すために不可欠なものでした。