トロイア戦争の英雄アエネアスが何歳で亡くなったのか、実は正確な答えは存在しません。ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』をはじめとする古典文献には、彼の死について明確に記された箇所が一切ないためです。本記事では、伝説に残るアエネアスの「最期」について詳しく見ていきます。
ラウィニウムの建設と3年間の統治
伝説によれば、アエネアスはトロイア陥落後、長い放浪の旅を経てイタリアの地にたどり着き、そこにラウィニウムという都市を建設しました。彼はこの地で約3年間にわたり王として民を統治したと伝えられています。
ルトゥリ人との戦いで忽然と姿を消す
その後、アエネアスは近隣の勢力であるルトゥリ人(ルトゥリイ族)との戦闘に身を投じますが、この戦いのさなかに突如として姿を消してしまいました。リウィウスの『ローマ建国史』などにも同様の記述があり、遺体すら発見されなかったことから、人々は彼がただの人間として死んだのではないと考えるようになりました。
母なる女神ウェヌスによる昇天伝説
一部の伝承では、アエネアスは自らの母にあたる女神ウェヌス(ギリシャ神話のアプロディーテー)の手によって、天へと引き上げられたと語られています。つまり彼は「死」を遂げたのではなく、神の世界へ迎え入れられたのだとされるのです。実際、古代ローマでは彼は「インディゲス神」として崇拝の対象となりました。
結論:死亡時の年齢は特定できない
アエネアスはあくまで神話・伝説上の英雄であり、生没年を含む具体的な年代記録が残されていません。彼が戦場で命を落としたのか、それとも神として天に召されたのかも定かではなく、したがって亡くなった際の年齢を割り出すことは不可能といえるでしょう。