世界で最も有名な彫刻といえば、ギリシャ彫刻です。古代ギリシャの彫刻家たちは、それまで誰も到達し得なかった完璧な美を実現し、後世に計り知れない遺産を残しました。その芸術は今日に至るまで多くの芸術家にインスピレーションを与え続けています。ギリシャ彫刻はエジプト彫刻から大きな影響を受け、後にローマ人によって模倣されました。
ギリシャ彫刻の特徴
エジプト彫刻が静的で動きをほとんど表現せず、とりわけファラオ(王)を描いていたのに対し、ギリシャ彫刻は動きのある表現、理想化された完璧な美、そして均衡の取れたプロポーションを見事に描き出すことに成功しました。
時代が下るにつれて、体に沿って伸びていた腕にも自然な動きが加わり、筋肉の起伏がリアルに浮き彫りになり、髪の毛などの細部も丁寧に彫り込まれるようになりました。
また、人物像だけでなく、特に馬をモチーフとした動物像も数多く制作されました。
代表的な彫刻家と作品
ペイディアス(Phidias)は、すべてのギリシャ彫刻家の中で最も有名な存在です。紀元前438年の「アテナ」像と、紀元前456年頃の「ゼウス」像の作者として知られています。
アテナ像はアテネのパルテノン神殿に、ゼウス像はオリンピアのゼウス神殿にそれぞれ安置されていました。しかし、両作品とも時の流れとともに失われ、破壊の正確な経緯は不明ながら、おそらく地震によって損壊したと考えられています。現在残されているのは、当時の記録文書や貨幣に刻まれた図像のみです。
中でもゼウス像は「古代世界七不思議」の一つに数えられる傑作です。
プラクシテレス(Praxiteles)は、最も著名なギリシャ彫刻家の一人です。中でも紀元前340年頃のアフロディテ(アプロディーテー)像で名を馳せました。この作品は西洋美術史上初の女性裸体像とされています。
クレシラス(Crésilas)は、紀元前425年に制作された政治家「ペリクレス」の胸像で特に知られています。
幸いなことに、一部のギリシャ彫刻の傑作はローマ人によって複製されていました。そのおかげで、ギリシャの原作が失われた後も、これらの作品は現代まで伝えられ、私たちが目にすることができるのです。
ギリシャ彫刻の技法と素材
古代ギリシャ人にとって最も適した素材は青銅でした。それ以前には大理石が主に使われていましたが、大理石は自重で壊れやすく、制作が困難になるうえ、作品の耐久性も損なわれるという課題がありました。
長い間、西洋文化では「ギリシャ彫刻は真っ白である」というイメージが定着してきましたが、実は当初は彩色されていたことが研究で明らかになっています。肌、髪、衣服などには絵具が施されていました。
また、槍や兜といった武具は青銅製で、一部の屋外彫刻では鳥の糞による汚れを防ぐために円盤が取り付けられることもあったそうです。
青銅製の彫像は蝋でコーティングされたうえで磨き上げられ、唇には銅や銀が使われるなど、細部へのこだわりが見られます。
ギリシャ彫刻とローマ彫刻の違い
ローマ彫刻はギリシャ彫刻から派生して生まれたものです。しかし、ローマ彫刻が写実的な形態の再現を重視したのに対し、ギリシャ彫刻は本質的に理想主義的でした。
つまり、ローマ人は老いた顔の皴などをそのまま忠実に描いた一方、ギリシャ人は実際には若くない人物の胸像であっても若々しさを与えて描きました。皇帝は神性を帯びるようにあらゆる欠点を取り除かれて表現され、ギリシャ女性の髪型も入念かつ美しく仕上げられました。
参考文献
PROENCA, Grace.『芸術の歴史(História da Arte)』サンパウロ:Editora Ática, 1994.